第155話  シンプソンダンジョン終息戦・北口①

〈シンプソンダンジョン北口〉


 北口から少し離れた砂漠の平原にレオは一人立っていた。


「『そろそろか。…すぅ〜…はぁ〜…』」


 レオは深呼吸をして息を整える。


「『ははっ……久々の大規模な戦いに高揚してるな。……頼むぜ、俺の相棒魔剣』」


 レオは自身の大剣を見て呟く。

 その大剣はレオがもう十五年以上も使っている武器だ。

 それはSSランク時代のレオがS級ダンジョンの階層ボスを死闘の末ドロップした武器であり、共にB級ダンジョンのレイドボスを討伐した魔剣である。


「『は〜〜……さて、集中しないと…ッ!』」


 集中しようとした矢先、全身が押し潰される様な気配を感じた。


「『まさか、氾濫が起きた!? いや、でも気配は一つだけ…こんなに離れているのに……なんだ…この圧倒的な気配は!?』」


 レオはその圧倒的な気配を感じる方向に目を向ける。

 しかし、その方向が東口だと分かると、直ぐに真白が何かしたと気づく。


「『……はは…東口か。…白岩真白、…君はいったい…何を呼び出したんだ』」


 ちょうどこの時、東口で真白が不滅巨人を呼び出したときである。

 東口は真白が『邪魂シリーズ』を呼び出して対処する事は既に決まっていた。

 しかし、どんな者を呼び出すのかまだは真白は伝えていない。

 その圧倒的な力の存在感にレオが一瞬押し潰されそうにったのだ。西口方面の者達はもっと恐怖を感じただろう。


「『【恐怖無効】を持ってから、殆ど恐怖感は感じてこなかったが…久々に感じたぜ。…しかも過去一ヤバいのを』」


 レオは久々に感じる恐怖感とともに寒気も感じた。

 しかし、それが起爆剤になったのか————


「『もうあっちの二つは余裕だろうな。ふっ…真白には時間稼ぎでいいと言われたが、……俺にも意地があるんだよ』」


 ————レオのやる気が更に増した。


「『時間稼ぎ? ……いや、ここは全部、俺一人で片付けてやる』」


 ドドドドドドドドドドド!……ドーン!


 すると、北口の氾濫が始まり、モンスターがダンジョンから溢れて来た。


「『さあ! 始めようか!!』」


 全身に蒼白色の魔力を纏い、魔剣を構えたレオがモンスターに勢いよく突っ込んで行った。

 こうして、レオのシンプソンダンジョン終息戦の戦闘が始まった。

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