第68話  調査終盤

 真白が湖の調査を終えてから約1時間、西の森林地帯から東の山岳地帯までの調査は順調だった。

 真白が持っているレポートには、事細かくモンスターの特徴や攻撃手段、弱点や地形の注意点など色々な事を纏めている。しかし、何度も言うが真白は大雑把のつもりである。

 そして現在、北の渓谷地帯の終盤まで来ている。


 バン!バン! バン!バン!


『『『『グウゥゥ……』』』』

「渓谷地帯はモンスターが多いな。…足場は悪いし、瘴気だらけだし、モンスターの数や種類も多い……西、南、東地帯のやな所を全部纏めた地帯だね。『ファイアウェーブ』」

『『『『『『ガァァァァァァァ……』』』』』』


 真白は愚痴を言いながらも、押し寄せるモンスターの大群を銃や魔法で倒して行く。

 

「この先を行けば階層ボスか。……戦う前に何処かで休まないと」


—————————————————————


LIVE配信 アカウント ——@masiro/white


コメント

:流石SSSランク。攻略速度が早い

:しかも調査レポート書きながらやってるし

:SSSランクて、全員こうなのかな?

:いや、彼女が例外じゃね

:そうだぞ。忘れたか、彼女『錬金術師』なんだぞ。本来は生産職なんだ、ダンジョンをソロで潜っている時点で頭の中がおかしいんだぞ

Lucy:『マシロが例外よ。…中層でなら大丈夫だけど、下層ではちょっと難しいわ』

:!!

:え! 『絢爛の魔女』! 何でいるの⁉︎

桐島:え! 自動翻訳機能! まさか、オプションでつけたのか! 確か、あれは値段がかなり高いはずじゃ………

:中層でなら大丈夫て、それでも異常なんだよなぁー

:下層ではちょっと難しいて、出来ないとは言わないんですね………

:SSSランクはやっぱ化け物

:お〜い、階層ボスエリアが近いらしいぞ

:さてさて、どんな戦いが見られるか

桐島:代金がいくらになるか……………


—————————————————————


 階層ボスエリア手前のセーフティーエリアで休憩と準備を済ませた真白。


「装備、ポーション各種確認よし! ボス戦は流石にレポートを書きながらは無理だから、録画を見直して作成するとして……」


 休憩と準備を終えた真白は階層ボスエリアに向かう。階層ボスの姿を遠目で見た。


「…ん。……なんか変わった感じがする」


 遠目だが何か違和感を感じた真白は【鑑定】

をする。


⚫︎シャーマンリッチ

 スキル:【物理耐性】【魔法攻撃増加】

     【闇魔法】【呪術】【瘴気放出】


 鑑定結果はこうである。


「ここで初めて……魔法攻撃持ちのモンスターか」


 今までは、スケルトン、ゾンビ、グールなどの様な物理攻撃しかしてこないモンスターだけだったが、魔法攻撃を使うリッチが出るということは、———


「50階層からは魔法を使うアンデットモンスターが出て来るくるのかあ。…厄介だなぁ」


 ———此処から先の階層は更に大変であると言える。この49階層の階層ボスは言うなれば50階層以降で戦えるかどうかの試練みたいなものである。


「でも、……ただ魔法が使えるアンデットモンスターてだけだよね。油断しなければ簡単に倒せるね」


 けれど、真白にとっては大した敵ではないらし。

 真白は気持ちを入れ替える為、息を整え、目を閉じて、心を落ち着かせる。


「ふぅ〜〜〜……………さて、……るか」


 真白の意識が戦闘体制に入った。

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