第66話 調査開始
「さて、まずはいつも通りに階層の把握からだね。…【探知】!」
【探知】スキル、魔力を使い周りの地形、モンスターの位置や数、トラップなど、様々なものを探す事ができる。
【探知】は戦闘職向けのスキルと勘違いされがちだが、実は生産職の者でも覚えられる。何故かというと、【探知】は『補助系』のスキルだからだ。
スキルには『戦闘系』『生産系』『補助系』『特殊系』と四つある。
『戦闘系』は【剣術】【火魔法】など、『生産系』は【錬金術】【調薬】など、『補助系』は【探知】【鑑定】【魔法耐性】などなど色々有る。
しかし、『特殊系』のスキルは固有スキルだったり、取得条件がわからないや、非常に困難なものばかりだ。真白の【真理の天眼】がこれに当てはまる。
閑話休題
【探知】の他に、下位互換のスキル【感知】もあるが、【感知】は空間を平面的に捉え、危険を直感的に感じるだけであり、【探知】は空間を立体的に捉え、物事を正確に捉える事ができる。ただ、効果範囲は、【感知】スキルより狭まる。大体平均で50〜100m探知できれば良い方である。
だが、真白は普通では無い。真白の魔力量は世界でもトップクラス……いや、もしかしたら世界一かもしれない。その為真白は、———
「……49階層は縦長の楕円形になってるね、…えと、マッピングの為のメモとペンは……あった…ここが南とすると、ここら北まで約7km、東から西は約5kmだね…———」
———階層一つを全ての範囲を探知できる。
「———地面から天井まで約150m、地形は、南は毒の沼や川や、朽ちた木々の湿地帯、…西は瘴気の霧の森林地帯で、東と北は山岳と渓谷かな? 中央は大きな湖……北側は東の山岳ルートを通らないと無理そうだね」
真白はクリップボードに挟んだA4サイズの紙にメモを取る。
「モンスターの数はおよそ2000〜2500で殆どが集団で固まってるね。トラップは約20個と…」
だが、そのメモの地形やモンスター、トラップの数などの情報を書いていく。
真白本人は大雑把に書いているつもりだが、他の探索者からしたら攻略マップとして欲しいくらいの物である。
しかし、真白がこれだけ細かく情報を得られるのは、真白の化け物クラスの魔力量と頭の中で素早く情報処理できる頭脳があってこそである。
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LIVE配信 アカウント ——@masiro/white
コメント
:おい、いくらなんでも【探知】スキルの探知範囲広すぎないか……
:階層一つをまるまる探知できるとか…ヤバいだろ
:魔力量どんだけあるんだよ
:SSランクの魔法職の平均魔力量で大体200〜300mだぜ……
:だとすると、化け物クラスの魔力量じゃねぇか
:おそらく、魔力量に関しては、もしかしたら世界で一番あるかもしれないな
:てか、手元で書いてるの見てみろよ
:すげぇ早さで書いてるけど、そこら辺の奴が書いたマップより詳しく書かれているぞ
:売り物にしてもいいくらいだな
桐島:………ただ動画を撮ってくれるだけでよかったのになぁ
龍也:まぁ白ちゃんだし、…仕方ない
:この後のどうやって探索するのか楽しみだな
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