アプリを使ったら転移しちゃいました! ─しーちゃんが行く! 絶望の箱庭〜鳥籠の姫君〜の学園にお邪魔しちゃいました!

まりんあくあ

第1話  異世界通話を始めよう

 あたし、小鳥遊たかなし 詩雛しいな、小学四年生だよっ。仲良しの友達からは「しーちゃん」って呼ばれてるよ。


 ある日、進級祝いに買ってもらったスマホで遊んでたら不思議なアプリを見つけたんだ。その名は、ジャーン「異世界通話」! アプリの説明には『こちらの世界とあちらの世界をつなぎ、異文化交流を推進します。同時翻訳でお繋ぎします。お好きな方との通話をお楽しみください』って書いてあったよ。


 面白そうだなと思って使ってみたら、素敵なお友達と仲良くなったんだ。その子の名前は「ソフィー」何と、うさぎの人形なんだよ。でも、生きて話せる不思議な人形なんだ。……ま、そういう設定なんだろうけど(笑)ゲームだとは思えないくらい会話が上手でね、ソフィーちゃんのいる世界のこともたっくさん教えてくれたよっ。


 ソフィーちゃんはワールドエンドミスティアカデミーっていう学園に、メイっていう大事な人と一緒にお世話になってるんだって。二人で特別寮ってところに一緒に住んでるんだって言ってたよ。ソフィーちゃんとは毎晩寝る前に通話してるんだ。


 あたしはその日に学校であったことや遊んだことを話してるよ。ソフィーちゃんはあたしが普通に知ってることを全然知らなくて、あたしの話をとっても嬉しそうに聞いてくれるんだ。


 ソフィーちゃんは学園の話やメイの友達について教えてくれたりする。でも一番多かったのはメイの話だ。イチゴのカバンを作ってくれたことや、毎朝メイの髪の毛をツインテールにしてあげる話、花壇を見て喜んでくれた話。ほんっとにメイが大好きなんだね。


「はー楽しかった。ソフィーちゃんってかわいいな。しかも、魔法学園!? 魔法だよ、魔法。何それ、おいしすぎるでしょう」


 今日の通話で衝撃の事実が発覚した。何と、ソフィーちゃんのいる学園は魔法の勉強をするところなんだって! 


「うわあ、いいなー! ソフィーちゃんも魔法が使えるの?」

「ううん、メイたちは使えるけどわたしは使えないの。だからみんなが勉強している間は先生たちのお手伝いをしているのよ」


だって。


 それから不思議な図書館の話も教えてくれたよ。その名も「迷宮図書館」。図書館なのに迷宮? 中に入るとずーっと奥まで本棚が続いていて、道も真っ直ぐじゃないからよく知ってる人と一緒じゃないと迷ってしまうらしい。何そのおいしすぎる設定は? そんなところに行けたらすみずみまで探検するのにーっ!


「あーあ、行ってみたいなー。迷宮図書館!」


 ベッドの上で足をジタバタさせてたら、早く寝なさい! って母さんに怒られた。むむう。





 

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