第26話
カレンはやはり鉱山に返しにいったほうがいいと考えていたが、カゲはどうしても自分で持っていたいという。
「そういうことなら、この宝石から魔法を取り払ってしまったらいいんじゃない?そうしたらこれは本当にただの青い宝石だし」
カレンはそう提案した。
「あの貴族たちはきっと、この宝石が魔法を使えるから恐れているんでしょう」
カゲの知り合いに、宝石商がいた。彼なら何かを知っているかも知れない。早速二人は、宝石をカバンの中に大事にしまって、近くの鉱山へと向かった。
宝石商は名をソラと言った。
「ええ、できますよ。魔法を消し去ること」
ソラは簡単そうに言った。
「しかし本当にいいんですか、魔法があれば便利でしょうに」
ソラは羨ましげに二人を見た。
二人は目を合わせ、にっこりした。
「魔法なんていらないよ。そんなものなくても幸せになれるから」
ソラは頷くと、宝石を手に取ってうっとりするのだった。
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