魔法でなんでも叶えられる宝石を持ったけど・・・
お餅。
第1話
忘れない、きっと。
泣き叫ぶ声、呻き、怒鳴り声。
崩れる音、救急車のサイレン、煙。
涙、涙、火、涙、涙、涙、火、涙。
忘れられない、きっと。
「…お母さん…。」
ついさっきまで一緒にたわいもない会話をしていた母。
仕事場で崩れた建物の下敷きになってあっけなく死んだ父。
焼けた友達、潰れた子犬、そして、
「いやあああああッッッ!!!」
一面火の海となった、街。
海の近くに住んでいた私のいとこは逝った。
そして、鏡の中の、死んだ目。
私はあの日から、みなしごになった。
それは、平民が青い宝石を持っていたために、
課せられた罪だった。
青い宝石。
涙の結晶のようなその宝石。
平民たちは貴族から,その宝石を寄越すように命じられていた。
その宝石を貴族以外が持っていることを、世間は悪とみなしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます