ごく平凡教師は、実際は最強である
ゆらゆらクラゲ
第1話 あと少しで消しそうだった。
小鳥が春のさえずりを鳴いており、卒業生たちはそれぞれの特技を活かし卒業試験を合格し、この学園を去った。
ここ、マジェス学園は一つの才能に特化した生徒を開花させ、世界に貢献出来る人材を育成する場所。優秀な生徒を育てるのだから教師も秀才レベルの人物が様々な教科の担当をしている。
そして僕、アレキ・ウィアードはこの学園の魔法史学担当している教師だが。
「アレキくん!魔法団に入ってくだ…「嫌です」」
「アレ…「嫌ですって」」
校長先生……ヴィクトワール・マジェス校長は僕を魔法団に行かせたいらしい。
「もうー!私はアレキくんの為に言ってるんだからね!他の校長は今頃強制的に行かせているんだからね!」
「そんなこと言われましても……」
ヴィクトワール校長は怒っているが、10歳程の姿をしている為空気がホワホワしている。
「言っておきますが、魔法団に入ったとしても魔法史学の担当はどうするんですか。魔法史学の資格を持ってるのは少ない部類ですよ。それに見つけられたとしても、僕ほどのレベルがいるかどうかなのですが…」
「ぐむむ…」
そうだ、魔法史学は100万年分の歴史があり、学園でも苦難な部類の教科の一つである。それは教師でも言えており、魔法史学の国家試験で合格出来るのは5年に1人ぐらいの難しさがあり、他のの学問分野では天と地の差があるほどのものである。
「でもっ、今回は折れないよ!アレキくん1度も彼氏いないだろ?紹介するから…」
「ヴィクトワール校長、汚いやり方はやめてください」
「だったらせめて魔法団の要請が来た時だけでも…!」
そう子供のおねだりの時の顔で涙目で言われてしまい。
「はぁ……わかりましたよ。それでしたら」
僕が嫌そうな圧をオーラから出しながら言うと。
「やった~!作戦成功!」
どうやら魔法団と策略を立てていたらしく見事成功したことを喜んでいた。
「……やっぱり汚い」
そう行ってる間に4月を迎える時期が来て、新入生達が入学準備をしていた。
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「ウィアード、大変そうだな」
空気の重い職員室にアレキの友人であるムーン・スタウトは一言放った。
「スタウトはいいよね…体力あるからいいよね…フフフ」
ムーン・スタウトは全ての実技の担当教師であり、実技は教師によって難易度が変わるがここは名門の学園、ムーンは若きながらも魔法団や剣士団からよく要請がくるほどの秀才である。ただし勉学に置いては一般の人達よりも上ではあるが、劣っているため実技しか担当していない。
「でも、校長にここまで反抗できるのはお前ぐらいのだろうな」
「くそっ、僕も権力の力があれば勝てるのに…」
「アレキちゃんは何を目指してるのよ」
アレキはギュッと女性に抱きつきくと
「サファイ~もうやだ。僕だって研究したいことあるのに時間が削られていく~」
先程のことで愚痴が零れていた。
「あらあら」
アレキに抱きつかれている女性…サファイ・トュルースは芸術の担当している教師である。マジェス学園は魔法や剣術もありがそれ以外にも芸術や商業などの学科もある。そして、サファイは芸術の部類の中の音楽、演劇、美術などを担当している。
「しょうがないわ。アレキちゃんは体力はないけど魔法に関しては凄いんだから魔法団にスカウトしたいのも分かるわ」
「ううぅ」
「サファイにもこう言われてんだ。諦めた方がいいかもな。それに……」
ドンッと机に資料が置かれそれを見た3人は途端に暗い顔になり、
「今回の新入生のクラス分け、まだ手も付けてねぇから早くしないと徹夜になるぞ…」
「「・・・」」
そう、職員室の空気が重い原因はこれである。4月の初めのクラス分けは新入生が500人も入学するため職員達は生徒と生徒の間に事件が起きないように細かく分けなければ行けないのだ。
「しかも今年の新入生はやべぇ奴がいるぞ」
「嘘でしょ…」
「……ハァ」
3人組はアレキの溜息を合図にはじめ、アレキは生徒のチェックをしていると……
「あっ」
「どうしたのよ?アレキちゃん」
「いやっこの生徒は……」
「……もしかしてウィアードお前何かしたな?」
「アハハ」
アレキが乾いた笑い声を出す理由は1月に行った入学試験の時のことである。
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「嘘だろ!?6つの属性持ってるぞ!」
この世界に魔法が存在し、6つの属性あり、火、水、風、緑、闇、光の種類がある。一般では1つ属性は持てており多くても二つしか持てないが、この男ブレイブ・オリオンは水晶から全ての属性があると映っていた。
「そんな凄いことなのか?」
と、ブレイブは力の大きさを理解していなかった。
この一部始終を見たいたアレキは、
「あんなに持ってても大丈夫か?」
こちらは大きさには理解をしていたが、心配の声しか出せなかった。
筆記の次の試験、魔法実技は魔法の担当している教師全員が審査をしていた。
しかし、アレキにとっては暇な時間でありほとんどボッーとしていた。
その時、
「エクスプロージョン!」
的が爆発し、煙が消えると跡形もなく消えた。審査員は驚愕していたがアレキは、
(あの子は魔力の使い過ぎで自滅するな…もうちょっと的の大きさ考えてという意味を込めて△で)
ちゃんと冷静に審査していた。
アレキは問題を起こさないで欲しいと思いながら次の人の見ていると…
「ワームホール…」
なんと、魔法陣が出てきて的の周りを中心に地盤ごと消えた。
アレキは驚き、見ると朝に見たブレイブだった。
「大丈夫ですか?アレキさん…っひ!」
隣の審査員に心配していたがアレキの顔を見るなり怯えた。
アレキは震えており、感激しているのではなく怒っていた。
ワームホールは半径5メートルの範囲の物体を転移させる魔法だが、その範囲の場所は審査の机のギリギリにまでだったため審査員は転移しなかったが、なんとアレキの席は端っこで荷物は机の隣に置いてあったため範囲に含まれてしまい、転移されてしまった。
「ブレイブ君だっけ?僕の荷物転移したの」
アレキは席を立ち、ブレイブの元へ一歩ずつ歩いていった。流石のブレイブも気づき、
「すみません!まさか荷物が転移するとは…」
蒼白している顔で謝るが。
「謝ればいい話じゃないから。あれは僕の研究資料が入ってたんだけど…」
そうボソボソ言いながらブレイブの目の前に立ち、
特性変動体
「吹っ飛べ!…アンジュレーション!」
そう唱え、ブレイブに波動が向かい地面に押し潰された。
「そのっそれでブレイブ君を気絶ちゃって」
「お前な…」
「アレキちゃんそれはダメよ」
2人の怒っている顔にアレキはさらに追い打ちをかけるかのように
「あと少しで消しそうだった」
その後仕事を終わらした後1日2人の説教コースだった。
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