「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。あなざーすとーりー」

はっけよいのこっ太郎

新川舞のその後

「新川舞のその後、前編」


どーも、新川舞しんかわまいです。

今回は卒業式のちょっと後にあった、私の話を少しだけさせてください。


卒業式の後、先輩たちは居なくなり翼君は彼女ができ、でも割と私は何もない日常を過ごしていました。

この一年私はこれといった変化はなく毎日平和に過ごし唯一の友達の小沢美羽おざわみうちゃんと放課後や休日に遊びに行ったりするだけの日々でした。


しかし‥日常というものは突然変わるものなのです!!


遡る事2学期、生徒会選挙‥


「おはよー舞ちゃん!」


「おはよー美羽ちゃん〜

最近毎日暑すぎるね〜」


「ほんと、夏は困るねぇ〜」


「その巨乳がいけないんだろ〜!

私みたいな貧乳とは違ってもっと暑いって言いたいんかワレ!!」


「そ、そんなこと言ってないよ〜」


「よろしくお願いします!!」


なんだか、校門前が騒がしい。


「おはよう御座います、新しい生徒会長に立候補する入江裕翔いりえゆうとです!」


「そろそろ、生徒会の時期だね?」


「そうなんだ、知らなかった。」


「やっぱり入江先輩が生徒会長になるのかな?」


「美羽ちゃん知り合い?」


「いや、入江先輩なんてみんな知ってるぐらいの有名人だよ?サッカー部キャプテンで老若男女誰にでも優しいで有名だよ!

ま、まあ私は舞ちゃんのお兄さんの方が‥」


「へぇ!私は翼様しか興味ないから知らなかったよ〜」


「あの君たち!」


「は、はい‥」


美羽は人見知りなので基本人が話しかけてきたら私の後ろに隠れる‥


「俺、2年の入江裕翔って言うんだけど‥

良かったらいま生徒会長目指してるから是非、清き一票お願いしたいんだけど!」


「わかりました〜」


「あ、あのさ!」


「まだなんかあります?」


「いや、君って新川君の妹さんだよね?」


「兄貴の事知ってるんですか?」


「お兄さんの事知らない人なんて居ないよ。今や学校で1番有名な人だもん。」


「確かにそうですよね‥」


「まあ一度も話した事ないんだけどさ。」


「そうなんですね。」


「何言いたかったか忘れちゃったけど、俺の事お兄さんの様に思ってくれていいからね!」


初めて話した印象は正直変な人だと思った。

でも後に聞いた話だけど、入江先輩は大家族の長男で心の底から良い人らしい、もちろん顔もイケメンでおまけに運動も勉強も出来るのでモテモテ、男版の朝比奈風夏あさひなふうか先輩みたいな人だった。


確かにちょっと良い人っぽいけど翼様に比べたら全然弱いよね!!

うん。絶対そうだ。


数日後、何故かは分からないが入江先輩に私は気に入られていた。


「おはよう新川さん!」


「おはよう新川さん!」


「おはよう!!」


あー!!!!!!!

もうなんでこれがモテる訳????

翼様の冷たくもたまに優しい所が良いのに〜


そんな日々が続く中生徒会選挙も1週間も切っていた。


「おはよう、新川さん。」


「おはよう‥ございます。」


「ついに生徒会選挙まで1週間切っちゃったよ。」


「そうですね‥てかそんななのに私に構ってて良いんですか?」


「そうだね、でも新川さんにだけ構ってるから他の時間は基本部活と生徒会で忙しいんだよ。」


「え‥」


「まあなんでだろうね‥気付いたら君のこと目で追ってるよ‥」


なんなんだこの人は‥

もしかして色んな人にこう言うこと言って生徒会長になろうとしてる極悪人なのか‥

お父さんにもよくニコニコしてる人ほど詐欺師とか悪い人だって言ってたし‥


「そ、そういう勘違いさせる事色んな子に言うのってその‥よくないと言うか‥」


「え?俺は本当に新川さんにしか言ってないのに〜」


「はいはい、そうですか。

まあ応援ぐらいはしてあげるんで生徒会選挙頑張ってくださいね〜」


「あ、ありがとう。」


.


.


.


「ただいま〜」


「おかえり、兄貴、あのさ?」


「ん?どうした?」


「兄貴と同い年の入江先輩って知ってる?」


「もちろん知ってるよ、容姿端麗、文武両道‥男版の風夏って呼ばれてる奴だろ?

ま、まぁ、自慢じゃないが一度も話した事ないぞ?」


「やっぱり兄貴に聞いたのが間違いだった。」


「なんでそんなこと言うんだよ!

で、入江がどうしたんだ?舞が翼意外の男の話するなんて珍しいじゃん?」


「いや、別に〜どんな人なのかなって。」


「聞いた話だけど、今まで色んな人に告白されてきたけどみんな撃沈してどうやら彼女を作った事がないらしいよ、その結果入江裕翔は誰のものでもないみたいな雰囲気が出来てるらしくて、誰もアタックする人が居なくなったらしい‥」


「へぇ〜なんていうか漫画のキャラクターみたいだね。」


「まあ確かに顔もかっこいいし欠点がないからな、欠点が無さすぎるってのもどうかと思うが。」


私はその時意外にも欠点が沢山あるように思えた。

というか私は昔から長所もある意味短所だと思ってしまうタイプだった。


例えば、話が沢山できる人っていい事だけど逆を返せば話が長いって事だし、みんなに優しいって事は誰にでもであって1人に向けられないって事だし、難しい生き方してるなと思うけど、やっぱその考えが正しいと思えた。


「まあ私には関係‥ないよな‥」


1週間後、生徒会選挙当日は無事にと言うか圧倒的に入江先輩が当選した。



しかし、この奇妙な2人の関係は意外と続く事になった。


ー続くー

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