第266話 病室内で(2)

「誰かー! 誰かー!」と。


「誰かー! 男の人ー! 男の人来てくださいー!」とも叫び。


「男の人ー! 誰でもいいから来てくださいー! お願いしますー!」と絶叫交じりで嘆願だよ。


 でッ、最後には看護師さん達は、「警備の人ー! 警備員の人を呼んでぇー!」と。


「警備会社と警察に電話をしてぇー! お願いー! お願いだからー!」、


「入院患者の冴島さんが暴漢に遭っているからー! 早くー! 早くー!」と、更に看護師さん達は、みな女性だから甲高い声音で、絶叫交じりで叫び! 男性の看護師さんや宿直の医者の先生、警備員の人達を呼んだ。俺が暴漢魔だから、入院患者の佐奈のことを助けて欲しいとね。


 と、なれば?


 遅かれ早かれ、この病室に沢山の男性達が詰め寄ると言うことになるから。俺は男性達に、強引に取り押さえられてしまうことになる。


 まあ、俺の予想した最悪のシナリオの方へと、ことが進んでしまったようだよ。


 佐奈の奴が中々目を覚ましてはくれないからね。


 でも、まあ、仕方がない。俺自身もイチかバチかの賭けだったから。それに失敗をしたと言うことになるけれど。俺自身には悔いはない。晴れ晴れとした気持ちでいる。


 だから俺は警察の御厄介になりそうだから、一日で家に帰れるといいな? と思う。



 ◇◇◇

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