第39話 常連のお客様からの色々な問いかけ(2)

「あの、ワッフルください」


「あの、一つだけで良いのですが。ワッフルをもらえますか?」と。


 若いOLの御姉さま、女子大生、高校生に中学生……。


 まあ、中学生の場合は、俺が女性だと意識をしていないのかな?


 中学生のお嬢さま達ならば、大体のお客さま達は大丈夫なのだが。


 偶にさ、いるじゃない?


 中学生も、高校生にもね。


 妙に大人びている娘がさ。


 そんな娘さん達だと突如、俺の身体中に蕁麻疹が湧いたり、嗚咽を催すこともあるから。


 まあ、その時になってみないとわからないところがある。


 でもさ、この御姉さまは、大変に気が利く、姉御肌の強い女性だからね。


 俺が慌てて、自身の身体を崩し、その場に座り込み、寝転がろうとすれば。


「お客さん、どれが欲しいの?」と。


 俺の代わりに尋ねてくれるのだ。


 俺が大の苦手としている、若いピチピチとした御姉さまやお嬢さま達に。


 俺の代わりに接客してくれる。


 まあ、こんな感じでね。




「あの、お姉さん、イチゴをください」と、お客様に言われれば。


「税込み350円ね」と。


 満身の笑み! 女神の笑み!


 まあ、こう言った場合は、商売人らしい笑みと告げた方がよいのかな?


 俺のように、自営業を始めたばかりの者よりも。


 余程、商売人らしい笑みを彼女は浮かべつつ。


 重度の女性恐怖症、女性アレルギーの、店の主に代わり、商いをしてくれる。


 それも、この御姉さまは、俺自身も未だ出来ないと言うか?


 この道の駅の店頭で販売をしている業者の中でも、しか出来ないテクニック……。


 そう、多分?


 他の道の駅やショップモール、百貨店の特設コーナーで販売を出来る人っているの? と。


 俺が思う販売テクニック……。


 だって関西のお客さん達が、この岡山県にある道の駅へと、牡蠣を購入する時に寄り──。


 竹輪や牡蠣の佃煮を押し売りされ。


「おじさん、販売が上手い!」、


「おじさん、上手やの~」と舌を鳴らしているぐらいだから。


 ちくわのおじさんは大変に販売の上手な人だと思う。


 そんなちくわのおじさんのように、俺のお店の常連の御姉さんも、こんな感じで販売ができる。


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