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積雲をたべる

      武上 晴生 作


 まんまる。

 まんまるだ。

 こんなにまんまるな雲、はじめて見た。

 表面はぽこぽこしてて、まっしろで、底はちょぴっと青灰色。

 まるいかたまりが、宙に浮いている。

 もしも雲の下の方に、ちらりと光るひもが見えたなら、まるで風船そのものだ。

 ふうせん雲。

 でも、ぱつぱつ、って感じはしない。ふわふわって言葉も似合わない。

 どっしりと構え、飄々ひょうひょうと漂い、りんと浮かぶ、一朶いちだの雲。




─────────────

 飄飄 ひょうひょう

 凜  りん

 一朶 いちだ

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