謎の妖精

転がるハムスター

謎の妖精

深夜、仕事からの帰路を一人で歩いていると後ろからダンッ‥‥ダンッ‥と地面を踏み鳴らすような足音が後ろから聞こえてきた。同時に「はあ‥はあ‥‥」と少し後ろから吐息のようなものも聞こえた。私は恐怖に駆られ後ろを見ないようにできるだけ早歩きで歩くことにした。すると後ろの足音もダンッ‥ダンッ‥とついてくる。走って帰ろうかとも思ったが、もし付いてきてる人が不審者で刃物を持っていたらと考えてしまい、思いとどまった。

恐怖を感じながらも、なんとか自分のアパートの近くまで歩き、アパートの自分の部屋の近くまで来ると「はあ..はあ..」という声も足音も聞こえなくなっていた。少し安心して気が緩んだ私は、好奇心から後ろを振り返ってみた。5mほど後ろに上半身裸の中年の男がいた。男はなぜか満面の笑みを浮かべていて手には鞭を握っていた。あまりのことに硬直していた私と目が合うと彼は100kgはありそうな体を震わせ、自分自身の体に手で握っていた鞭を打ち付け「ンンンンンンニィィィィィィィ」と奇声を発しながらこちらに突進してきた。私は無我夢中で走り急いで自分の部屋に入り鍵を締めた。部屋の外からはあの男が鞭でドアを叩く音や「はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ」という気持ちの悪い音が聞こえてきた。私は恐怖のあまり耳をふさぎただただ震えていた。

どのくらい時間がたっただろうか、ふとドアの外から、「アアアアア」という叫び声のような音が聞こえ、彼の気配が消えた気がした。彼の気配がなくなった数時間後に私はおそるおそるドア穴から外を見てみたが、そこにはもう誰もいなかった。彼は一体なんだったのだろうか‥‥。

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謎の妖精 転がるハムスター @marimoo

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