男嫌いな彼女と結婚を前提に付き合うことになりました！

第13話 朝チュン…、そして不倫騒動ニュースを話題にする俺と未来

　渋谷で未来を助けて自宅に連れ帰った次の日の朝。

　昨日が週末の金曜日で今日は土曜日で休み、ということで学校に登校する必要がない。

　なのに小鳥の鳴き声によって起こされる俺。

「う、う～ん……今何時だよ…って、何時もよりも早い時間じゃねぇかよ」

　ベッド際に置いてある充電器に繋がったスマホを手に取って画面を見てそう愚痴る俺。

　画面に表示されていた時間は、午前７時少し前。

　学校がある平日に起きる時間よりも１時間早く目が覚めてしまったらしい。

　そんな俺の上に覆い被さるように乗る未来と目線が合う。

「あら残念。　もっと寝顔を堪能してたかったのだけど、目が覚めちゃったみたいね♪」

　そう言ってクスクスと笑う未来。

　俺よりも先に目が覚めたようで、人の寝顔を観察してたらしい。

「おはよう、葵♪

　よく眠れたかしら？」

「おはよう未来。

　まあまあ眠れたかな」

「ふふっ、まだ眠そうだけど？…んっ♡」

「そりゃあ眠いさ。

　何せ普段よりも１時間近く早くに目が覚めてしまったんだから」

「てことは…あんっ♡…何時もは８時位に起きてるってこと？…んんっ♡」

　……さっきから会話の節々に"感じるのを我慢してる声”が混じってるような気がするんだが？

　それに俺のが生暖かい物に包まれてる感触もするんだが…。

「なぁ未来？」

「あんっ！……ん？呼んだ？」

「ん？呼んだ？……じゃないでしょうよ？

　朝から未来は”ナニ”をしてるのかな？」

　そう聞いた瞬間、罰が悪そうな顔をして目線を逸らす未来。

　それと同時に何かを耐え続ける未来。

「ナ、ナニモシテナイワヨ？」

「……もうバレてるから誤魔化そうとするんじゃない」

「起きたら葵のが…んっ♡…苦しそうだったから、スッキリさせようと…うっん♡…思って、ね？

　最初は口で…あんっ♡…スッキリさせよう…んんっ♡…と思ってたのよ？

　でも見ている内に…んっ♡…疼いちゃって我慢出来なくなって…。

　だから”つい”私の中に招き入れちゃいましたっ☆」

　……俺の婚約者、マジパネェっすわぁ～。

「そうなのかぁ～……抜いていい？」

「ダ～メ♡」

「そっか、ダメかぁ……降りてほしいんだけど？」

「……出してくれるまで降りる気は一切ないわ♪

　あ、ピル飲んでるから気にしなくて大丈夫だからね♪」

「……………おやすみなさい」

　……全てを諦めて現実逃避することにした。

◇◆◇◆◇

　結局の所、未来に散々に搾り尽くされました…はい。

　それはさておき、朝シャン？を済ませて衣服を着た俺は現在、キッチンで”遅め”の朝食を作っていた。

　……いや、既に昼近くだから朝昼兼用って言った方が正しいだろうか。

　そうなった原因を作った元凶の未来はと言うと…。

「あ～…人気俳優の宮下さん、また不倫したの？

　つい先月も不倫してマスコミにリークされて騒動になったばかりじゃない…。

　なのにまた性懲りもなく同じことを繰り返したのね。

　これだから”葵以外”の男は嫌いなのよ、私。

　ほんとに女性をなんだと思っているのかしらね！」

　ソファーに寝そべってスマホでニュースを見ており、俺以外の男性に関するニュースで愚痴ったり文句を言いながら寛いでいる。

　着替えがまだない為、昨日と同じ服装だ。

　だけど身につけていた下着は現在洗濯中の為、足をバタつかせるからスカートが捲れてしまっており、中が丸見え状態となっている。

　まぁ、互いに何度も肌を重ねて深い関係となってるから今更見えてしまった所で俺は気にもとめないし注意する気もない。

　それは未来も同様だろう。

　現に捲れてしまってるスカートを直す素振りすらないのだから。

　ちなみに未来が言っている宮下というのは、人気ラブコメアニメ【底辺キャバ嬢に貢ぎまくったら記入済み婚姻届を渡された件】の主人公役を演じてる

人気イケメン俳優のことだ。

　年齢は３１歳と若く、今から１年前に９歳年下の一般女性と電撃婚している。

　唯、女性関係にだらしない残念イケメンで結婚してから半年足らずで５回も不倫騒動を起こしていた。

　その俳優さんが今回、６回目となる不倫をして離婚騒動に発展してしまっているのだから、ほんとに救いようのないクズ野郎だ。

「えっ？　また不倫したんだあの人」

「そうなのよ葵。

　これで６回目の不倫よ？」

「それでよく離婚騒動にならないな？」

「そうでもなさそうよ？

　今回ばかりは流石に離婚待ったなし、みたいね」

「今になって離婚すんのかよ！？

　遅すぎね？」

「ええ、遅すぎね。

　私なら１回だけでも即離婚するわね」

「それが普通だと思うぞ？

　俺は浮気も不倫も”絶対”にしない」

「葵がそんなことをする人じゃないって、私は思ってるから。

　様々な観点からそれをするのは無理でしょうけど…」

「ああ、絶対に無理だな」

「ま、葵は世界で有名なグローバル企業の跡取り息子だものね！」

「ほんとそれな。

　行動の一つ一つに気を使わなきゃならない肩書きだよ、全く！」

「自由に、好きに行動出来ないのも不便よね」

「それはそうだが……親は選べないからな」

「それはそうね…。

　ま、私は葵と一緒なら世間の反応なんてどうでもいいって感じだけどね」

「それは俺も一緒だなw

　さて、話してる間に朝食が出来たぞっと♪」

　未来と会話しながらも調理の手を止めることなく出来上がった料理を盛り付けた皿をテーブルの上に並べて置きながらそう未来に声を掛けた俺。

「ありがとう葵。

　朝からいっぱい”運動”したからお腹ペコペコだったのよねぇ♪

　……別の部分は満たされてるから問題ないのだけどね♪」

　運動、の部分を強調しながらそう言った未来に苦笑しつつ隣に座る俺。

　そして２人揃って「「いただきます！」」と両手を合わせてから食べ始めた。

　ちなみに本日の朝食メニューは、だし巻き玉子･ほっけの塩焼き(大根おろし付き)･豆腐となめこの味噌汁･雑穀米である、とだけ付け加えておく。