カクヨムの中心でミステリー愛を叫ぶ

雨宮 徹

ミステリーってすばらしい!

 「ミステリー」、とてもいい響きです。今でこそミステリーは市民権を得ていますが、日本で認められ始めたのってそんなに遠い過去ではないです。


 ミステリー好きの方はご存じかと思いますが、初回ということで一度ミステリーの歴史を振り返りたいと思います。



 ミステリーはエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』出版と同時に誕生しました。1841年のことです。今から180年ほど前です。日本はまだ江戸時代です。江戸時代と聞くとかなり過去のように感じます。



 日本にミステリーがやって来たのはミステリーの巨匠 江戸川乱歩が『二銭銅貨』を発表した1923年です。今からちょうど100年前です。今年は日本ミステリー誕生100周年の記念すべきアニバーサリーイヤーなのです。本記事の執筆現在、2023年12月10日です。もう少しで終わってしまいます。


 江戸川乱歩の登場によりミステリーが日本にやってきたわけですが、乱歩の著書はエログロ要素が多いです。この当時はミステリー自体、まだ広まっていませんし、低俗と受け止められていたと思います。個人的には乱歩のエログロ要素が織りなす不気味さが好きです。



 さて、乱歩が日本で開拓したミステリーというジャンル、次の巨匠と言えば横溝正史です。ここで一気にミステリーブームが巻き起こります。戦時中、ミステリーは敵性文学でしたから、出版は戦後になります。


 横溝正史の作品群といえばやはり金田一耕助の存在が大きいでしょう。横溝正史以降、主人公が事件に巻き込まれるという流れが一般的になりました。


 そして、横溝正史といえば『犬神家の一族』です。何度も映画化されている根強い人気を持った作品です。他にも『獄門島』などありますが、挙げだしたらきりがないので割愛します。

 

 そして横溝正史の作風の特徴は戦後のドタバタや日本独自の陰湿さ、不気味さにあります。戦後すぐに発表が相次いだことで、リアルさがあったと思います。



 横溝正史の次と言えば松本清張です。今までトリックや謎解きが中心だったミステリー界に新しい風を吹き込みました。社会派の筆頭となり、より動機や文学性に重点を置くようになりました。



 最後に新本格派。1980年代になるとエラリー・クイーンのように「読者への挑戦」を入れた作品が多く出版されました。個人的には有栖川有栖氏の作品が好きです。



 そして現代。ミステリーは幅が広がりました。殺人に限らず、日常の謎もミステリーに含まれるようになったからです。



 ただ、私は十代に新本格派を読んだので、最近の「ミステリー」という区分には慣れていません。やはり名探偵、殺人、鮮やかな事件解決がそろっていて欲しいのです。


 そして残念なことに最近のミステリーには私が好む「読者への挑戦」つきの本格推理小説は皆無です。私がフォローしきれていないだけかもしれません。


 そこで考え、気付きました。ないならば自分で書けばいいと。


 今この記事をお読みの皆さんもミステリー好きだからこそ、読まれていると思います。今度はあなたの手でミステリーに新しい風を吹き込みませんか?

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