お嬢様‼どうかボクだけのものになってください!!!
@k0905f0905
第1話
薄暗い森の中から
薄暗い森の中から人を呼ぶ声がした。
ボクは誘われるままに、森の中に入っていった。
梟の泣き声がした。
まるでボクがこの森で息絶えるのを
まっているかのような、イヤな泣き声だった。
ボクはためらいながらも森の奥に
進んで行った。
梟はいっこうに啼くことをやめず、
うるさくなるばかりだった。
ボクの脚に疲労という厄介なものが
やってきた。
まるでそれはやってくることを
宿命づけられていたように、
やってきてボクを苦しめ始めた。
ボクは木株にすわりこんで、休憩を
取った。
だが、疲労はなかなか体から抜けてはくれずに
ボクを苦しめた。
ボクは仕方なく、濡れ雑巾のように重い体を
引きずって、再び立ち上がり、森の奥へ
進んだ。
森の奥は真っ暗だった。
森は木陰になっていて光を通さず
まるで深夜の物置小屋のようだった。
ボクはなぜこの森へやってきたのか
自分でもわからなかった。
気がついたら、この森の入り口に
たという感じだった。
ボクはさらに奥へ進んだ。
雨が降って来た。
次第に足元がぬかるみ、靴は
どろどろになってきた。
誰かいる。
ひとりか、いやもっと多くだ。
ボクはとっさに身構えた。
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