妹と親友の純愛を守る純愛過激派お兄ちゃん

木斗

第1話 NTRモノの良さとはなんだ

純愛。それは世界で1番美しく、儚い。

NTR。それは世界で1番汚らわしく、おぞましい。

僕こと橋本恋はそのことについて十分理解し、世界

で誰よりも純愛モノが好きである。

これは僕がある1つの純愛を守り抜いた記録である。




それは高校2年の7月のことだった。

親友の今井拓磨と下校していた時のことである。

「俺、お前の妹と付き合ってるんだ。」

「まじ?」

夕日が照らす帰り道、何事もない会話の中でそう言われた。

僕の妹とは、橋本由美、僕らの高校と同じの1年生である。妹は拓磨のバスケ部のマネージャーをしており、僕と違って、顔が良く、他学年にまで名が知れ渡ってる美少女である。

僕と妹と今井は家が近く幼い頃からよく遊んではいたのだが、2人に恋愛感情があるとは知らなかった。

「いつから?」

「3か月前。」

「どこまでした?」

「手繋いで歩いたぐらい。」

「おう、、、」

なんという初々しさ。

「10何年か居てそれって。」

「仕方ないだろ。恥ずかしいし、、、。」

「情けねえな、、、」

しかし、これらのシチュエーション全てが僕の純愛に刺さった。

(え?まじ?もしかして幼なじみと付き合うラブコメ的展開来ちゃった?うっひょー!!10何年かいて初めて手繋ぐって、初々しすぎる!これからの高校生活毎日彼女と会って徐々に詰めていく距離!

僕の方がドキドキが止まらん。純愛は最高だな。)

「おーい。大丈夫か?」

ハッ

「大丈夫だ。問題ない。」

意識が危なかった。うーんしかし落ち着いて考えて見てもすごいことである。僕の知らないところでの10年間の恋。是非とも応援させていただきたい。

その後、2人はどういう関係だったの十分聞かせてもらい、僕と拓磨の帰路が別れる純恋神社まで来た。ここは1週間後に祭りを控えており、準備でとても忙しそうにしている。

「そうだ!1週間後純恋神社で祭りやるみたいだ。2人で行ってこいよ。」

「祭りか、、、」

「あいつは祭り好きだからな。」

昔は3人でよく行っていた祭り。最近は3人とも予定が合わなかったり、妹は別グループと行ったりで3人で行くことは少なくなっていた。

「わかった。誘ってみるよ。」

「おう。あと今日から僕のことはお義兄さんと呼べ。」

「はい。お義兄さん!」

「やっぱやめろ」

そんなこんなで別れひとりで帰っていた時、話しすぎていつの間にか暗くなったいたが、純恋神社に黒髪ロングで和服の女性がいた。

「おい。そこのガキ。」

え、声かけられてガキ呼ばわりされた。

「はい、、、」

「橋本恋だな。私は純愛神。純愛を司る神だ。」

不審者だ。逃げよう。まともな人じゃない。

僕は全力疾走で走った。

「おい待てクソガキ。逃げんな。」

その女性は和服を来ているのにアスリート並の速度で追いかけてきた。

やばい、追いつかれる。

あっ

僕は転んでしまった。そしてその隙を付かれ捕まってしまった。

「僕なにかしましたか、、、」

「とりあえず話を聞け。」

低くて落ち着いている声が響いた。

「はい、、、」

「私は純愛を守るべくいる神だ。この神社の神でもある。私は純愛を愛しているが故に許せないものがある。私はNTRが許せない。NTRは無くなるべきだ。」

「はい、、、」

何言ってんだこいつ。いきなり純愛が何とか、NTRが何とか、セクハラか?

「しかし、良くないことが起きる。お前の身の回りでな。」

「なんですか」

「お前の妹、うちの祭りでNTRされんぞ。」

「は、、、?」


第2話へ続く






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る