深まる愛

 千秋の話を聞いてイキたいと思うようになった。そりゃ、セルフのイクをアレでも味わえるなら嬉しいもの。だってだよセルフで慰めるのは、本来はアレの代用品のはずじゃない。だから男とやるからには男でイクべきだ。それにセルフの場合はクリでイクもの。ここも千秋に言わせれば、


『処女はクリ専科の外イキにならざるを得ないけど、オモチャで中イキするセルフもポピュラーだよ』


 なにがポピュラーだ、ほっとけ。千秋の話をどう聞いても外と中では同じイクでもかなり違うみたいだ。だったら中イキも経験したいじゃない。これは性的な興味も当然ある。女なんだから経験したくないのがいるとは思えない。


 それとだけど、アキラとの愛の絆を深めるに必要だと思うんだよ。明日菜はアキラを愛してるけど、今のところアレが究極型じゃない。そりゃ、二人の愛はアレがすべてじゃないけど、アレが重要なのは疑う余地もない。


 アレでの愛を深めるためには、回数もあるだろうけど、質も上げるのも両輪のはず。じゃないとアキラが明日菜とのアレに飽きて愛が深まるどころか、醒めてしまうかもしれない。


 この辺は今でも心のどこかにアキラとの釣り合いが悪いと言うのもある。明日菜が醒める事はないのは自信があるけど、アキラがどうかは別だもの。だからとりあえず出来る事と言うか、やるべき事としてアレの質向上に努めても悪いことはないはず。


 そのためにイクだ。これも女がイクと男は喜ぶそうだ。アキラもそうのはずだから、なんとしてもイッてみせる。そこだけ取り上げると明日菜が淫乱になったみたいだけど、それは違うはず。


 女と男が好き合えばアレをする。それでアキラとの仲が深まったのは間違いないけど、アレだって次の世界があるはずなんだ。その世界にアキラと入れれば二人の愛はもっと深くなるはず。その次に咥えるかどうかは・・・とりあえず置いておく。それこそイケてから考える。


 それとイクための条件はかなり整ってるはず。明日菜はアキラを心から愛しているし、アキラとのアレだって嬉しい。そのうえ最後のキーになるはずの感じるだって出て来ているはず。それとイクにも抵抗がないどころか、イキたいと思ってる。



 千秋は男の動きにもコツがありそうな話をしていたけど、なんとなくわかるところがあるし、男の動きもある程度はコントロール出来ると思うんだ。明日菜が一番感じるようにアキラの動きをコントロール出来たら活路は開けるはず。


 言うほど簡単でないのはわかってる。アレってアキラが入ってる間はある種の狂乱状態なのよね。それにアキラをコントロールするのに、声を出して指示するなんて出来るはずがない。せいぜい明日菜の腰の位置を変えるぐらい。


 あれこれ試行錯誤しても、まだイクの臨界点とやらには遠かったのだけど、思わぬことが起こってくれた。アキラに明日菜の心が通じてくれたみたいなんだ。もっとも千秋に言わせれば、


『エエ加減、明日菜をイカせたくなったんじゃない』


 でも結果オーライのはず。二人で目指すものは同じだからね。アキラは明日菜が少しでも感じるように協力してくれた。そうしたら、少しずつだけど感度が強くなってるのがわかった。


「明日菜、こうか、それともこうか」


 頑張ってくれるアキラにひたすら感謝したし、絶対に離れられないと何度も思ったもの。二人で次の世界のアレの扉を開けようとする感覚も嬉しかった。でもね、かなり高まってるとは思うけど、感覚としてまだ距離があるって感じだったのよね。


 そんなある夜のことだったけど、いつもように頑張ってたら、アキラのアレがどう言えば良いのかな。ピタって感じになったんだ。それこそツボにはまった感じでも良いと思う。そしたら、信じられない感覚が明日菜の中に次々って感じで沸き起こったんだよ。あまりに強烈なので、明日菜も声が止まらなくなってしまった。


「ここか、ここなのか」

「そうよ、もっと、もっと・・・ああ、感じる、感じる・・そんなに、ああダメ・・・」


 アレの時の会話ってそんなものだけど、まるで明日菜の子宮が火が着いた感じになり、それが燃え上がってるとしか思えなかった。それは臨界点とも言えるし、炸裂としても良いかもしれない。


 明日菜はこれ以上はないぐらい体を仰け反らせ、子宮から脳天を焼いて突き抜ける感覚を堪能させられた。これのはず、これがイクだ。なんてものなんだよ。セルフとは質も桁もまったく違う。こんな事が自分の体に起きるのが信じられないぐらいだった。アキラにもわかったみたいで本当に喜んでくれた。


「明日菜、イッたんだな」


 強烈過ぎる余韻に浸りながら、ついに新しい扉が開け放たれた喜びに浸った。イカせてもらいたい人にイクのは最高の気分だよ。アキラ、愛してるよ。



 これだけ二人で苦労したイクだけど、女の体は不思議なものだと思った。一度体が覚えると、それこそあっという間に臨界点にかけ登れるようになるまですぐだった。最初に感じた、もうこれ以上は無いと思ったイクの強さも、すぐにグレードが上がってしまい。


「こんなのイッたら、明日菜は壊れちゃう」

「大丈夫だよ。ほら」


 アキラに面白いようにイカされてしまう体になってしまった。でもそれで良いし、嬉しいんだ。そうなりたかったし、そうなるために努力したんだもの。アキラが喜んでくれるのなら、それは明日菜の喜びなんだから。


 そしたらついにが来た。その夜も明日菜は炸裂させられて、その余韻の中でアキラが果てるのを待っていた。そしたら体の奥に再点火したのをはっきり感じたんだ。慌てたよ、さっき炸裂したばりじゃない。こんな状態で次なんて耐えられるはずがない。でも止めようもなく臨界点に迫って行った。


「アキラ、イッて、お願いだからイッて」

「明日菜、イキそうなのか」


 男が女をイカせたがるのは学習してたけど、こんな状態でもイカせようとするのは堪忍して欲しいと思ったもの。でも明日菜に逃げる術はなかった。なんとか堪えようとしたけど、体は明日菜の意思など関係なくに臨界点を越えて行った。


 なす術もなく炸裂、いやあれは爆発として良いと思う。頭の中がピンク色に染められ切って明日菜は天国に放り投げられた。この二回目の臨界点を越えた夜が大きな転機となった。すぐに三回目以降を経験する事になった。


 とにかくイクは強烈。体がバラバラになりそうになる。それだけの思いをしてるのに、アレが終われば次の日には明日菜の体が疼くのは自覚した。そうよ、アキラが欲しいの。自分が怖くなった明日菜は千秋に相談したんだけど、


『こりゃ驚いた。イクまでは行って欲しいと思ってたけど、まさか明日菜がそこまで行くとはね』


 千秋が言うには良い事だって。そこまで感じてこそ女だとも言っていた。でもさぁ、こんなに欲しいと思うのは異常じゃない。


『なに言ってるのよ、それを満たすのが男の仕事でしょ。女はね、男が欲しがる時だけのオナホじゃないんだからね』


 千秋らしいな。


『でもまあ、お互い休養日が欲しいのは認めてあげなきゃね』


 千秋に言わせると究極的には女の方が性欲が強いかもしれないとしてた。イク回数だって男みたいに上限はないし、アレだってその気になれば連日どころか、一日に何回でも応じられるって。どんだけイクんだよ。つうか千秋はそこまでやったんかい。


 だけど多くの女はそこまで到達できないそう。それこそ男相手にイクことさえ出来ない女も少なくないらしい。イケないアレは、それこそ入れられるだけになり、男の性欲を満たすだけのオナホ的なものになり下がり、男とのアレは疎ましくなるのが多いんじゃないかってね。


『そりゃ、女の喜びの強さは、神が妊娠出産の苦しみの代償に与えたもうたものとされてるぐらいだからね』


 それって誰が言ったの?


『知らないよ』


 エエ加減な。千秋が作ったんじゃないの。


『それはない。どこかで読んだのだけど出典が見つからなくてね』


 まあいっか。


『それとだけど、これでお口の問題も答えが見つかったんじゃない』


 えへへへ、見つけたしアキラも喜んでくれた。なんであんなに躊躇ったのか今となっては不思議なぐらいだ。とにもかくにもアレの質を上げてアキラとの愛を深められて大成功だったと思う。

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