エッチ談義
結ばれるというステージを越えて、ますますアキラとの距離は縮まった。縮まるも何もあれ以上の密着はないものね。なんとなく思ったのだけど、女と男が魅かれ合えばその距離を縮めようとするし、究極まで縮めたものがアレじゃないかって。千秋が言ってた、
『女と男は愛すればアレをやる』
千秋の言い方はモロ過ぎるけど、不思議に納得してしまったところがある。旅行から帰った後も求められたし、もちろん応じた。これまた千秋の言う通り、回数を重ねれば痛みは少なくなって行くのもわかった。
今の明日菜はアキラのマンションに通い妻状態かな。アキラは料理どころか家事全般に苦手みたいだから、明日菜が掃除をしてご飯を作り、夜は求められるってパターンが多いよ。だいたい週に三度か四度ぐらいのペースになってるけど、ここまでになれば同棲も提案したんだよ。明日菜はアキラ以外にもう考えられなくなってるからね。でも、
「親父たちが来ると拙いから」
そこがあるか。恋人同士ではあるけど、まだ親への挨拶をするには早すぎる段階だものね。その点は納得した。この辺は木島グループの跡取り息子だから、セレブにはセレブ流の段階の踏み方があるのかもしれないし。
アキラとの交際はやはり反響が大きかった。どう見ても釣り合ってないものね。アイドル級のイケメンと、陰キャで地味な小娘って見る方が自然かもしれない。だから羨ましがるのもいたけど妬むのもいたはず。でもアキラはしっかり守ってくれたと言うか、堂々と彼女として扱ってくれたからさしたることもなかった感じ。絢美にも、
「まさか木島君と明日菜が付き合うとはね」
アキラとの交際は順風満帆てな感じなんだけど、ちょっと千秋に相談。これは千秋じゃないと相談しにくい。
「やりたければやれば」
そりゃそうなんだけど、やらないといけないのかな。
「それぐらいはやってるところは多いと思うけど、やらない人もいるよ」
そういう愛の行為が存在するのは知ってるんだけど、もし求められたらどうしようなんだ。千秋はどうなの、
「求められたらやってるよ。あんなの咥えるだけじゃない。さすがに出されて飲んだことはないけど」
さすがは千秋だ。でも咥えるのはアレだよ。
「咥え切れないぐらい大きいの?」
比較がないからわからないけど、咥えられない程のモノではない。
「まさか喉まで求められそうとか」
なんだそれ。千秋によると喉の奥まで突っ込んで来る男もいるらしい。そんなのされたら吐いちゃうじゃない。
「千秋も吐きそうになったけど、慣れればやれる」
千秋は笑いながら、
「そりゃ、最初は抵抗があったけど、なんでも場数ってこと」
少しだけ真剣な顔になった千秋は、それをするのは相手に対する愛おしさの程度とした。
「好きになったからアレをやると言うか・・・」
好きな相手だから受け入れようとするし、受け入れたいと思うのはまずわかる。明日菜もそうなってる。これがもう一歩進むと欲しいになるそう。これもわかりかけて来ているところはある。明日菜の方から求めるのは無理だけど、
「そのうち受け入れてる相手のアレが愛おしくなると言えば良いのかな。そうだそうだ、もう感じてるよね」
そ、それは・・・ある。
「イッた?」
まだそこまではない。と言うかイクってどんな感じなの。
「自分で慰めた時の感じに近いよ。もっともあれは外イキだから中イキと少し違う」
なにかわかったようなわからないような。ただこの感じが高まったらってのはある。
「そうなのか。きっとその感覚が臨界点まで達したらイクよ。でもそこまでイッてないのか」
アレの時のイクは自分で慰める時とは違って、相手に依存する部分が大きいんだって。
「そりゃ、相手が発射してしまえば終わっちゃうからね」
なるほど。じゃ、アキラは早漏だとか、
「早漏相手にイクのは大変だけど、女のイクはそれほど単純じゃない。男は擦りさえすれば発射するけどね」
ネンネじゃなくなった明日菜でもちょっと厳しい話だけど、男がそうらしいのは知っている。千秋が言うには回数を重ねれば女の感度が上がり、感度が上がるからイクまでの時間が短くなる関係ぐらいで良さそう。
でも早漏が相手だと少々感度が上がっても、時間がどうしても足りなくなるからイケないそうだ。その時間ってどれぐらい。
「最低でも十五分は欲しいかな」
だったらアキラは早漏じゃないはず。だったら明日菜もそのうち。
「明日菜にも是非経験して欲しいと思ってるけど、女は単純じゃないののよね」
いくら男女平等でもアレの時は受け身になるのが女だ。だから男の殆どは自分のペースで体を動かしてくる。それもわかる。
「これは相性としか言いようがないのだけど、女の感度が上がる相手とそうじゃない相手がいるんだよ」
そんなに男のアレって大きさや形が違うのかな。それとも動かし方に差があるとか。
「そんなところだと思うけど、差があるのだけはわかるよ。それとね・・・」
これに加えて女はイキたいと思う相手じゃないとそもそも感じないし、イクなんて夢物語だそう。好きでもない男にレイプ状態で感じるって話も、
「エロ小説の世界だよ」
なるほど女は複雑だ。それとだけど、男のイクは発射だけど、女もイケばどこかが発射するの。
「そりゃ濡れるけど、あれは発射じゃないね。なかには潮吹く女もいるらしいけど、あれも発射じゃないらしい」
潮ってなんだ。さすがの千秋も経験ないからわかんないのか。潮はともかく、女もイケば男のように終わりになるんだよね。
「終わるもんか。アレは男が発射するまで続くんだよ」
そうだった、そうだった。だったら女がイッた後も続いたら、
「自分で慰める時と一緒だよ。次が來る。これも必ずしもじゃないけど、次のイクに驀進させられる」
ちょっと待ってよ。それじゃあ、男が発射するまでエンドレスになるじゃない。だってセルフの時はこれで限界と思えばやめるだけだけど、アレの時は自分でコントロールしようがないじゃない。
「まだ明日菜には早かったかな。相手によってはそうなる事もある。でもそこまで行ける女はそうはいないはずだよ」
エライ話になってしまったけど、今日はイクの話じゃなくて、あれをすべきかどうかなんだ。
「イクと関係なくもないよ。イクことで男のアレへの愛おしさが増すじゃない。だから行為への抵抗感が下がるってこと。もっともね、嫌なら拒否する権利があるのも女だ。だからやらない女だっている」
拒否して嫌われたら、
「それこそ二人のその時の阿吽の呼吸だよ」
結局そこになるのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます