ストリップ・ヌードル

ろくろわ

深夜二時の背徳

 深夜二時。

 外の暗さとは反対に、室内を照らす明るい電気の下で、おもむろに嶋崎しまざきは動きの鈍くなったそいつの身ぐるみを剥がし始めた。

 嶋崎は一糸纏わぬ姿となった身体を抱えると、シャワーで綺麗に洗い流し始めた。少し冷たい水の珠が、まだ瑞々みずみずしくぷりっとしたその身にあたると、水の珠は艶やかに輝く。

 そのままでも十分に綺麗なのだが、嶋崎は衣を纏った姿の方が好みだと、衣をその身に優しく着付けていく。

 まだ少し濡れているその身が衣に覆われると、その小さな身を紅くし、身をよじり悶える姿を想像しこの先のお楽しみに、自然と嶋崎の頬が緩んだ。

 嶋崎の手によってゆっくりと沈められていく身体。小さくキューと小さな音が洩れ、静かに、そして激しく捩れ動く様子を嶋崎は静かに眺め、そのまま次の準備に取りかかる。

 嶋崎は自身で鍛えた腰の強い太さのものが自慢だった。

 口にいれた時、喉ごしが良いように少しとろみのある汁も出しておく。これで衣を纏い、紅くなったアイツを浸す。


 嶋崎は全ての用意を終えると、はやる気持ちを抑え静かに向き合った。


 嶋崎の目の前にはうっすらと湯気のたった天麩羅うどんが美味しそうに出来上がっていた。

 箸で海老を拾い上げると、汁を吸った衣がずるりと麺の上に落ちる。

 これはこれで美味しいので問題はないのだが、嶋崎は折角、食感を保つ為にサクッとあげた天麩羅が濡れて衣が落ちることに少し残念な気持ちを抱え、衣が落ちて紅い姿があらわになった海老を口に放り込んだ。


 深夜二時過ぎ。

 衣が剥がれ落ちて口の中に消えていく海老天の姿は、何処か官能的な魅力を醸し出していた。



 了


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ストリップ・ヌードル ろくろわ @sakiyomiroku

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