7 ねこさん、バトルする!?

 絶壁の上は、なだらかな地形がずっと奥まで続いていた。


 ねこさんは、警戒しながらも軽やかに歩を進める。


「!」


 野生の勘が、エマージェンシーを告げる。


 右側の岩の陰から、何かが飛び出してきたのだ。


 素早く愛用のピッケルを抜き放ち、それを睨む。


「ほっ、スライムなのねー」


 あまり強くないと思われているモンスターだが、じつは結構厄介なのである。


 魔法が使えれば一瞬で勝負はつく。が、ねこさんは魔法なんて使えない。


「とうっ!」


 普段のねこさんからは想像できないような素早さで、スライムに迫る。


 そして、敵に何もさせないまま、その核をピッケルで貫いた。


「楽勝な──」


 どばあっ!


 どうやら少し核からずれていたようだ。


 ねこさんは、スライムシャワーを思い切り浴びた。


「……えー、無理ー」


 合掌……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る