6 ねこさん、ダンジョンを攻略す!?

 どれくらい時が流れただろうか?


 ねこさんは、いまだにダンジョンの天井にはりついていた……。


「あーっ! 手を離せばいいのねー?」


 とても良い案に思えたが、人間であれば助からないような高さだ。


「そろそろ疲れてきたのねー、えいっ!」


 思い立ったが吉日、と言わんばかりに、何のためらいもなく空中浮遊アーティファクトヘリウム風船から手を離した!


 重力にひっぱられ、ぐんぐん加速するねこさん。


 絶壁の頂上が、目の前に迫る。


 危ないっ!


 が、ねこさんも、やはり猫なのである。


 地面に激突する寸前で、くるり、と回転すると、何事もなかったかのように着地した。


「ふふふ、このダンジョン、すでに見切ったー!」


 ドヤ顔のねこさんだが、スタート地点に立っただけのような気がするのは、私だけだろうか?

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