ちあふる・でぃーば。〜彼女はバンパイア〜

猫野 尻尾

第1話:異星人との交流企画に当選したんだけど・・・。

俺、是枝 圭介これえだ けいすけ

年は二十歳。

現在、一人暮らし。

某、広告会社に勤めてる。


俺の親父とおふくろは親父の仕事の関係でドバイへ移住して行った。

おふくろは俺を放ったまま親父について行ってしまったから、広い家に

俺ひとりで暮らしてる。


食いっぱぐれがないようドバイから毎月生活資金は送られてきてる。


で、ことの発端はここからだが俺にはつい最近まで付き合ってた彼女が

いたんだけど・・・フラれた・・・。

彼女と別れた理由は未だ分からない。


で、俺はひとりぼっちになってしまった。

彼女が突然いなくなって、俺は心にぽっかり穴が空いた。


なにかで気持ちを紛らわそうと俺は毎月購読してる雑誌の企画に応募した。


俺の趣味は基本的に謎や神秘的なものが好きで宇宙や異星人なんかを扱った

雑誌なんかも好んで読んでいた。


昔、UFOを見たとかって大騒ぎしてた時期もあったが今は実際にUFOは

存在してるし異星人もこの地球に普通に来ていて特別珍しいことでもなかった。

でも、まだ俺個人的には異星人との交流はまだしたことがなかった。


その購読してる雑誌の企画で異星人との交流についての記事が載っていて

「抽選でお一人様に限り異星人と会えて話ができる」って記事を見つけた。


異星人と仲良くできるのか?・・・めったにないチャンス・・・。

そう思った俺は一も二もなく、その企画に応募した。


当選者はたった一名・・・たぶん俺はくじ運がないから絶対当たらないだろうな

って思ってはいたがでもわずかでも可能性があるなら期待したってバチはあた

らないだろう。


それから一ヶ月・・・俺は、異星人と会えるって企画のことをすっかり忘れていた。


そしたら、俺のスマホに連絡が入って


「おめでとうございます」

「今回の異星人との交流企画に、ご当選なさいましたのでご連絡差し上げました」

「つきましては・・・うんぬん」


出版社からだった。


きっちり忘れてた・・・当たったんだ・・・まじでか?


それで某日某月、ホテルにて異星人さんと会えることになった。


当日、俺は指定されたホテルに行ったんだ。


ホテルに着くと、以外と警備が厳重。

SPらしき黒ずくめの人たちがたくさんいた。

異星人ってだけで物々しいなって思った。

ちょっとビビりながら受付行くとボーイさんが指定された部屋に案内してくれた。


部屋に入ると中には出版社の人なのか、おっさんが三人と、

小学生くらいの女の子が一人、足をぷらぷらさせながらソファーに座っていた。


俺は名前を名乗ると、さっそく一人のおっさんが対応してくれた。


「是枝様、このたびは、ご当選おめでとうございます」

「私は今回の企画の担当の谷川と申します」


「ご紹介しておきますと、私の右にいらっしゃる方が総理大臣の吉川様です」


「そ、総理大臣?」


ははあ、それでホテルの警備が厳重だったんだ。


「はい、いちおう異星人さんは国賓でいらっしゃいますから」

「国を挙げてのおもてなしなんでございますからして・・・」


「あとのおふたりはSPです」


「そして、こちら・・・今回、この企画に参加してくださった異星人さんです」


出版社の人はソファに座ってる小学生を俺に紹介した。


「よろしく・・・私、メルバ」


女なんだ・・・しかも子供って?俺はてっきりグレーみたいな不気味な

やつを想像していたんだけどまるっきり違っていた。


メルばって名乗った子は、どこからどう見たって小学生くらい?

容姿だって人間とあまり変わんないじゃん・・・・髪がピンクで頭からなにか

アンテナみたいなものがヒョイって生えてるって言うか、くっついてるって

言うか?・・・謎。


しかも異星人って言ったってちっとも不気味じゃないし、むしろけっこう

可愛いじゃないか?。

エイリアンみたいな異星人だと食われでもしたら大変だけど、その子は

どうみても無害そうだった。


「あ、 俺、是枝 圭介すけこれえだ けいすけです」

「日本語はしゃべれるんですね・・・メルバさん」


「うん、完璧・・・」


「では、さっそくですが企画では異星人様は一ヶ月間、当選者様の家で過ごすと

いう企画ですので異星人さんは本日より是枝様の家で生活することになりますので・・・それでよろしいですか?」


「え?は?・・・あの、そういう企画なんですか?」

「ここで親交深めて、おしゃべりして写真撮ってサインとかもらって終了・・・」

「とかじゃじゃないんですか?」


「いえいえ異星人様のたってのご希望でして・・・当分、当選者様の家で

お世話になるとそうおっしゃってますが・・・これは星を代表しての親交ですので

当選者様には拒否権はございません・・・お分かりでしょうか?」


「お分かりって・・・断れないってどういうこと?」


「私からもよろしく・・・なんせ国賓でいらっしゃいますから粗相のないよう

お願いしますね」


って総理大臣からもお願いされた。


ってことで異星人、メルバは俺の家に預けられることになった。

小一時間くらいの交流だけだって思ってたのに俺の家に来るってか?

どうすんだよ・・俺が異星人の面倒見るってことだよな・・・。


まあ、家に帰っても一人だし・・・いいんだけど・・・。


つづく。

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