第4話

夕方5時、百合は林明子と会った。

明子は結婚していてフルタイムで仕事もしている為忙しくしているので、久しぶりの再開だった。


百合の恋人や明子の仕事について話していたが、


「どうしたの?今日元気ないね?」


と、明子に問われた。

長年の友達にはわかっちゃうのかなーなんて思いながら仕方なく百合は例のマッチングアプリのメールの件を話した。


うーんと唸る明子は、


「メール全部読んでみたら?何かわかるかもしれないよ。」


あまり気乗りしなかったが、明子が一緒にいる事で少し心強かった。

読んでみるとやはり、百合を目撃したとの内容ばかりだった。

その中に誠と出会う前に連絡を取っていた、晴人がいた。読んでみると、匿名掲示板に百合の個人情報が載っているから気をつけた方がいい。との内容だった。


匿名掲示板…?


百合は驚いた。なぜそんな所に自分の事が…


明子は匿名掲示板を見ようと言ったが百合は困惑し気分が悪くなった。


「見る気になれない…。」


百合はそうポツリと言うと、明子は自分のスマホを取り出し何か操作し始めた。


「あった!」


明子がそう言うとスマホ画面を百合に向けた。匿名掲示板を検索したようだ。

そこには、百合のフルネーム、よく行く喫茶店、写真まで載っていた。


「なんで!」


百合は声を荒げた。心配そうに見ている明子に、大声出してごめん。といい。その日はお開きにする事にした。



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