第72話危ない未来



『占い水』に触れてシェリーが見てたのは、平和に暮らす親の姿だった。

エルフが平凡に暮らす風景を微笑んで見ている。

なんて幸せそうなシェリーの顔だ。


次に『占い水』に触れるのは、レッドだ。

体の一部を触手のように伸ばして濁った水に・・・波紋が広がる。

そして水は鏡のように映しだす。


オーク販売所へ野菜などを届けて、飛んで帰って来る風景。

我が家の庭で見守るハイブラックに挨拶して家に入る。


「なんで・・・これが見たい未来なの・・・」


『レッドさんにとって大切な仕事ですから・・・』


「それで未来を見る注意って何か分かった」


『集中することですね・・・何かちょとでも違うこと考えたら、見る風景が変わったり途切れてしまいます』


「集中力が大事か・・・」


レッドがぴょんと跳ねて入替わってハイブラックが『占い水』の前にでる。

そして前足を「チャポン」と入れた。

濁り水が鏡のようにならない。


え!何で・・・


「ハイブラックは、何を考えたんだ!」


『ハイブラックさんが集中してるのは、我が家のことですよ・・・我が家の防衛隊長ですから・・・なので我が家が見えるハズです』


あ!濁った状態で我が家が映った。


え!画面が上に移動・・・その上空にでかいカメが・・・恐ろしい程でかい。

そのカメには、頭が2つで『やっと見つけたぞ』と1つの頭がしゃべった。

『そうだな』と、もう1つの頭もうなずく。


『このまま殺すぞ』と笑ったような目をした。


『賛成だな・・・早いに越したことはない』


え!超高速で我が家に衝突。

凄い爆音と爆風がすべてを支配。


土煙が消える頃には、でかいクレーターが出来ていた。

山々の木がなぎ倒されていて、遠く離れた家も消滅。



『あ、思い出したぞ。あれは、魔族の7貴族の3番目で防御と探索が得意なハーベンに違いない。探索でこっちの世界を突き止めたようだな』


「え!これって我が家の未来なのか・・・俺って死んだ」


「ワウ、ワウ、ワウーー!」


『死んだと言ってます』


「それって時間にしてどれくらい後だ」


「ワン、ワウ、ワン」


『30分後です』


「鏡よ、出よ」


鏡が出たの入った。

皆も急いで入って来る。


ここは、裏山ダンジョンの地下7階。

異世界に行ったら、ゾクゾク魔族が来そうな気がしたからだ。


「ハーベンって奴が来ても戦える準備だ!」


ハイデンは、赤いドラゴンに変貌。

刻々と時間が過ぎる中、ハイデンの情報を聞きながら作戦を練った。




上空にハーベンが現れた。


オリハルコンの太刀は伸びて首に突き刺す。

凄い量の血がふきだす。

レッドは、レーザーで右前足の付け根を切断。

案の定・・・裏側は弱すぎる。


ハイデンは、青い炎のブレスを腹に吐き続けた。

ジリジリと焦げる臭いが・・・


何が起きたか分からないハーベン。

もの凄い雄叫びが・・・こだまする。


そして、そのまま「ドドン」と落下。


オリハルコンの太刀は、収縮して目に向かった伸ばす。

ちょっと手応えがあったが目を貫く。

あ!脳をぐちゃぐちゃに・・・


レッドは、右側から後ろ足を必要にレーザーで貫く。

甲羅で隠れてるが動く度に、見える足を貫く。

やっぱ付け根が弱いらしい。



赤スケルトンも何度も何度も開けた口に向かって矢を射る。



アカは甲羅に取り付く、酸で溶かしはじめる。

白い煙が・・・そして酸のにおいが・・・



『メター!モード9よ』


メターは、バラバラ形状からドリル状に形態を変えて地中に潜る込む。

そして地中からカメの腹を攻撃。

物凄い音を響かせる。



ハイブラックは、もう片方の頭の目に飛びつき目を引き裂いた。

そのまま目の中に・・・



ハイデンは、手を鋭い鍵爪にして甲羅のスキに突っ込む。


『この甲羅は硬いな・・・しかし、これでどうだ』


「ベキ、ベギ、ペキ」と引き剥がす。


その度に鳴きだす。


開いた口に矢が突き刺す。


1時間の死闘でカメは、無残な姿に・・・



『隠れても無駄だ・・・我に分からんと思ってるのか・・・』


白っぽい球体がカメの中から浮上。

中には、人型がひそんでいた。


『よくも見破ったな・・・しかし、この球体は頑丈だ』


俺は、指を傷つけて大量の血を操って、球体を包み込む・・・


『なにをする気だ!』


それは一瞬だった。

「グシャ!!」と音をとどろかせて破壊。


戦いは終わった。


それに大量の甲羅が手に入った。


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