ピンクブロンド男爵令嬢に婚約解消して王太子殿下を譲ってと言われました

アソビのココロ

第1話

 ララミス・ベッセマー男爵令嬢。

 身分としては特筆すべきところのない方ですけれども、その名を知らない者は王立カレッジにいないのではないかしら。

 艶やかなピンクブロンドのロングヘアを備えた、涼やかな美貌の令嬢として有名ですから。

 

 ララミス様は目立つ容姿だけではなく、学業の優秀さでも知られています。

 また生徒会の役員も務めているのです。

 身分以外は王太子アラン様に相応しいのでは、と言われているのを聞いたことがあります。


 しかしこれは容認できません。

 何故ならアラン様はわたくし、ブラッドフォード公爵家の娘グレースの婚約者なのですから。


 しかも最近アラン様とララミス様が急接近中との噂。

 二人が仲良く話をしているのは事実です。

 アラン様はそんなことないよ、生徒会の連絡事項だよとはぐらかそうとします。

 でもウソです。

 わたくしにはわかります。

 アラン様はララミス様に惹かれているのです。


 アラン様は王太子という身分の方ですので、そうそう問い詰めることもできません。

 そこで学友のダッシュウッド侯爵家エミリア様とリプセット伯爵家シェリー様をお誘いして、ララミス様とお話しすることにしました。

 具体的には節度を持ってアラン様と接近しないようにと、強く言うつもりです。

 だってわたくしはアラン様の婚約者なのですから。


「御機嫌よう、ララミス様」


 ララミス様は本当に勉強熱心ですね。

 定期考査の終わったこの時期にも図書室で学んでいるなんて。

 おかげで人のほぼいないところで話し合いができそうです。


「グレース様。それにエミリア様、シェリー様ではないですか。御機嫌よう」


 ララミス様もちょっと驚いているようです。

 でもやっぱり美人。

 それ以上に能力と自信に裏打ちされた存在感があります。

 一人で来ていたら気圧されていたことでしょう。

 エミリア様とシェリー様を誘ってよかった。


「アラン様の件なのです」

「アラン殿下の、はい」


 エミリア様とシェリー様が助太刀してくれます。


「あなた、殿下に近づき過ぎではなくて?」

「殿下はグレース様の婚約者ですのよ?」

「淑女として控えるべきだわ」


 困ったような表情を見せるララミス様。

 ああ、やはり……。


「ララミス様はお美しいですものね。アラン様に迫られているのですか?」


 アラン様の方が積極的であるならば、男爵家の令嬢に過ぎないララミス様が断ることは難しいでしょう。

 もしそれでララミス様が苦慮しているということならば、わたくしは陛下に直談判してでも問題を解決せねばなりません。


「いえ、アラン殿下に気に入られているという自覚はありますが、特に迫られているということはありません」

「そうでしたの?」


 あら、わたくしの勘違いだったのかしら?


「でも殿下との距離は誤解され得るものではなくて?」

「そうよ、はしたないですわ」

「ちょうどいい機会ですので、お三方に聞いていただきたいことがあります」

「何ですの?」

「アラン殿下が積極的なのではありません。むしろ逆です」

「逆……と言いますと?」

「私が殿下に対してモーションをかけているのです」

「「「えっ?」」」


 微笑むララミス様。

 よ、妖艶!

 何という色気!

 女のわたくしでも目が離せないのです。

 殿方が撥ねつけられるわけがないと思います。

 エミリア様とシェリー様だって、ポカンと口を開けてララミス様を見つめるばかりです。

 

 ララミス様が言います。


「所詮男と女の関係は、抱きたいか抱かれたいかでしょう?」

「「「えっ?」」」

「愛の絆は強いほど幸せですよ」


 そ、その顔はズルいです。

 乱暴な意見でも否定できないではありませんか。

 いえいえ、わたくしはアラン様の婚約者。

 やっとのことで声を絞り出します。


「そ、その表情でアラン様を籠絡したんですの?」

「いえ、アラン殿下はグレース様の婚約者ですので、無遠慮なことはできません」

「そ、そうでしたの」


 ホッとしました。

 ではアラン様とわたくしの婚約を重んじてくれているのですね?


「私もグレース様にお話したいことがあったのです」

「何でしょう?」

「アラン殿下との婚約を解消していただけませんか?」

「「「えっ?」」」


 何でそうなるんですの!

 婚約解消なんてできるわけないでしょう!


「ら、ララミス様はアラン様と結ばれたいのですか?」

「幸せは愛とお金の掛け算ですから」


 うわあああああ、その顔はダメです!

 とても逆らえる気がしません。

 ただただ圧倒されます。


「ち、ちょっとララミス様。公爵令嬢のグレース様に対して失礼でなくて?」


 シェリー様ありがとう存じます!

 もうわたくしには身分しか縋るものがありません。


 あら? 急にララミス様がいつものすました真面目顔になりましたね。

 これなら話せます。


「先ほどのアラン殿下と婚約を解消していただきたいという提案は、冗談ではないのです」

「ですからララミス様。常識で考えれば、王太子殿下と公爵令嬢の婚約解消なんて不可能でしょう? 国の一大事になってしまいます」

「お三方は私が『相性見』の加護の持ち主であることは御存じでいらしたでしょうか?」


 急に話が変わりましたね。

 加護は一〇〇人に一人ほどの割合で神様から授かる、ちょっとした超常の力とされています。

 ララミス様が男女の相性を知ることができるとは聞いたことがあります。

 わたくしも占ってもらおうかしらと考えたことがありました。

 でも相性が良かろうと悪かろうと、相手を変えられるわけではないのですから無意味だと思いました。


「もちろん耳にしたことはありますよ」

「アラン殿下とグレース様の相性は大変よろしくないのです」

「「なっ……」」

「グレース様は耐えていらっしゃいますが、アラン殿下の移り気で自分勝手な面にはイライラを感じておられると思います」

「あなた好き放題言い過ぎではなくて?」

「グレース様、アラン殿下とはいい関係なのですよねえ?」

「……いえ、当たっています」

「「!」」


 エミリア様とシェリー様が呆気に取られていますが、これは事実なのです。

 何度くじけそうになったことか。

 わたくしの苦しみをわかってくださる人がいたとは。


「エミリア様とシェリー様は婚約者の令息との相性がとてもいいんです。だからグレース様の心の痛みをわかってあげられなかったのでしょう」

「う、ううう……」


 人前で感情も露わに涙を流してしまうとは。

 みっともないです。


「グレース様、申し訳ありませんでした。のほほんとしていた自分が恥ずかしいです」

「グレース様の苦しみに気付いて差し上げられなかったとは、慙愧の念に堪えません」

「続けてよろしいでしょうか? グレース様と相性がよろしいのは、ダッシュウッド侯爵家令息ウィラード様なのです」

「えっ? うちの弟ですか?」


 ああ、ララミス様はどこまで見通していらっしゃるのでしょう?

 確かにわたくしは可愛らしく慕ってくれるウィラード様を好もしく思っております。


「な、なるほど。アラン殿下とは真逆のタイプですね」

「はい。家格の差も問題ないですし、グレース様はダッシュウッド侯爵家に嫁ぐのが最も幸せになれるでしょう」


 何だかララミス様の言うことが正しい気がしてきました。

 しかし?


「……問題はアラン様とわたくしの婚約関係ですね」

「及び、グレース様と婚約解消後のアラン殿下の婚約者についてです。そこで先ほどの婚約解消していただけませんか、というお話に戻るのですけれども」

「アラン様とララミス様の相性はどうなのですか?」

「とても良い、です」


 ララミス様の考えはわかりました。

 一方的に婚約者の座からわたくしを蹴落として後釜に座りたい、というのではなくて、わたくしのことも考えてくださっていたとは。

 ララミス様は何と優秀でお優しいのでしょう。


 障害になるだろう点は二つ。

 アラン様とわたくしの婚約関係は解消し得るのか?

 ベッセマー男爵家の家格で王太子妃たり得るか?


「実はアラン殿下は、一ヶ月後の夜会で婚約破棄宣言する計画を立てていらっしゃるのです」

「「「ええっ?」」」


 アラン様が出席する一ヶ月後の夜会って、ひょっとしてうちブラッドフォード公爵家主催の?

 何てこと!

 ララミス様が無念そうに言います。


「私はもっとじっくり根回しをしながら、自然に見えるよう皆が幸せになる道を辿りたいと思っておりました。しかしアラン殿下は性急にことを運ぼうと考えておられるようなのです。迂闊でした」


 わかります。

 アラン様はそういう方です。


「本来ならばもっと早く、私が殿下の計画を知った時点でグレース様に相談すべき案件ではありました。しかし信じていただける見込みがなく……。申し訳ありませんでした」

「ララミス様が謝罪なんて……」

「このままアラン殿下が公開婚約破棄に踏み切りますと、おそらく殿下は太子を廃され、私は修道院行きなのです。グレース様は傷物令嬢と呼ばれ、国は大混乱。誰も得しません」


 公開婚約破棄が本当ならララミス様の言う通りです。

 でも現在の状況を考え合わせますと、本当である可能性が高いではないですか!


「ララミス様には策があるのですね?」

「はい。お三方の協力を仰ぎたく」

「私達もですの?」


 エミリア様とシェリー様もですか?

 一見関係なさそうですが、ララミス様の策を拝聴いたしましょう。


「アラン殿下に公開婚約破棄などという無謀な手段を取らせてはなりません。アラン殿下とグレース様が穏便に婚約解消の上、グレース様がダッシュウッド侯爵家ウィラード様と、そして不肖私がアラン殿下と婚約するのが最良の手段かと思います」

「わたくしも同感です」


 アラン様が公開婚約破棄まで考えているのなら、婚約解消まではスムーズに行くでしょう。


「問題になるのはララミス様の家格ですね」

「そこでエミリア様、私をダッシュウッド侯爵家の養女にしていただくわけにはまいりませんでしょうか?」

「「「あっ!」」」


 その手がありましたか。

 ダッシュウッド侯爵家ならば、王太子の婚約者として家格に問題はないです。

 うちブラッドフォード公爵家がララミス様を養女として婚約者を交換した、とするより陰謀じみてないですし。

 おまけにわたくしがダッシュウッド侯爵家に嫁ぐならば、養女で王太子の婚約者となるララミス様を通じて、間接的にブラッドフォード公爵家は王家と繋がることになります。

 ただ婚約解消となるよりも、ブラッドフォード公爵家のダメージはうんと小さいです。

 もちろん王家とブラッドフォード公爵家の縁戚になるダッシュウッド侯爵家はいいことだらけ。


「ララミス様賢いです! 父に相談してみます!」

「ありがとう存じます。そして顔の広いシェリー様には、この件の事情を包み隠さず皆に伝えてもらいたいのです」

「えっ? 包み隠さずですか? よろしいのですか?」

「情報公開のタイミングは計らねばなりませんが、痛くもない腹を探られるよりマシです。特に騎士団が動揺すると国のためになりませんから」


 社交的なシェリー様の交友関係は広く、また父である当代のリプセット伯爵は騎士団長を務めています。

 なるほど、世論操作と騎士団の忠誠については、当事者であるわたくしやダッシュウッド侯爵家のエミリア様ではなく、一見無関係のシェリー様に任せると。


「完璧です!」

「お褒めいただき恐縮です」


 ララミス様がニコと笑顔を見せます。

 先ほどの全てを魅了するような笑みではなく、わたくし達を安心させる柔らかい笑みです。

 笑顔一つでさえ使い分けるララミス様のような方が、王妃の器なのでしょうね。


 仮にアラン様とわたくしの仲が良かったら、ララミス様がしゃしゃり出ることはなかったでしょう。

 アラン様とわたくしの婚約解消という災いを転じて、より一層の福を産み出そうとするララミス様は、やはり素晴らしい知恵者です。

 

「早期にアラン殿下を抱き込めば一ヶ月の期限はないも同然です。ただし、ブラッドフォード公爵家主催のパーティーで公表できれば最高だとは思います」

「全て了解の上だということを周知させやすいという意味ですね?」

「はい。ですので期限一ヶ月を目標といたしましょう。皆様、よろしくお願いいたします」

「「「わかりました!」」」


          ◇


 全ては終わりました。

 ララミス様の思惑通り、アラン様……アラン殿下とわたくしの婚約は解消されました。


 婚約解消についてお父様に相談したところ、初めは何をバカなと一笑に付されました。

 ところがアラン殿下の公開婚約破棄計画を話すと顔色が変わり、急ぎ陛下の下に参じました。

 その時既にアラン殿下と話は付いていましたので、話はバタバタと進みました。

 ダッシュウッド侯爵家、ベッセマー男爵家をも交えて話し合いが持たれ、ララミス様はダッシュウッド侯爵家の養女、さらにはアラン殿下の婚約者となったのです。

 わたくしは思惑通り、ダッシュウッド侯爵家の嫡男ウィラード様の婚約者となりました。


「お姉ちゃん」

「あらあら、わたくしのことはグレースとお呼びくださいませ」

「カレッジを卒業するまではいいじゃないか」


 年齢としては一つ下のウィラード様にバックハグされます。

 なりは大きいのに、いつまで経っても子供みたいなところがあるんですから。

 ……でも信頼されている感覚が心地よいです。


「お姉ちゃんが婚約者になってくれたなんて、夢みたいだ」

「現実ですよ」


 あの一ヶ月間は大変でした。

 でも勝ち取った婚約だという、言いようのない充実感があります。


「でもよかったの? 本来お姉ちゃんは王妃になるべき人だったじゃないか」

「王妃ですか……」


 アラン殿下の婚約者のままであればという意味でしょう。

 ウィラード様は詳しい事情を知らされていないでしょうけれど、そんな未来はなかったのです。

 わたくしも熱っぽく婚約破棄宣言の計画について語るアラン殿下を見てしまいましたから。

 あれを見てわたくしはもちろん、陛下その他の方々もアラン殿下の翻意はムリだと悟りました。

 事態を無事に収めるためには、ララミス様の案に乗る以外にないと。


「ララミス嬢、か……」

「あら、ウィラード様もララミス様について思うところあります?」

「そりゃあ、あるよ」


 アラン殿下がララミス様に懸想して婚約者が変更されたという経緯は、そのまま人口に膾炙しています。

 ララミス様の美貌と優秀さとともにです。

 シェリー様が張り切って活動してくれたおかげです。

 ……シェリー様は噂話が何よりお好きですからね。


 一般にはスキャンダルではなく、ロマンスとして解釈されています。

 アラン殿下とララミス様の婚約が、ウィラード様とわたくしの婚約と同時に発表されたからだと思います。

 この件について特に隠しごとをしないという戦略は大当たりでしたね。


 貴族の間ではダッシュウッド侯爵家の勢力が増す、という観測がありました。

 美貌の男爵令嬢を養女にしてまで王太子の婚約者にするなんて、やり過ぎではないかと。

 が、ダッシュウッド侯爵家が常に受け身であったこと、ウィラード様とわたくしの婚約でブラッドフォード公爵家も納得していることが伝わると沈静化しました。

 情報の公開は本当に重要なのだと知りました。

 王国の安寧のためには、高位貴族の結束が固まるのはよいことではないかと。


「ララミス嬢がお姉ちゃんを蹴落としたみたいな格好になるだろう?」

「え? いや、そんなことはないのですよ」


 ああ、ウィラード様からはララミス様が、わたくしの敵のように見えてしまうのですね。

 情報公開しても、人々の理解には差がありますから。

 誤解したままでは今後の王家との付き合いにも支障をきたします。

 ウィラード様には言い聞かせておかねば。


「ララミス様は素晴らしい方なのです」

「……目立つ美人なのは認めざるを得ないけど」

「アラン殿下の婚約者交代劇は、全てララミス様が筋書きを書いたのですよ」

「自分が得するためじゃないか」

「違うのです。わたくしとアラン殿下は気が合わないと言いますか、婚約破棄は時間の問題だったのです」

「そうなの?」

「ええ。ララミス様の筋書きに乗らないケースを考えてみてくださいな。アラン殿下の一方的な婚約破棄でわたくしは傷物。ブラッドフォード公爵家への配慮のため、殿下御自身はおそらく王位継承権剥奪処分になったと思います」

「お、王国を揺るがす大変な事態だ……」

「はい。もう一つ言うと、わたくしがウィラード様の婚約者となる未来は訪れませんでした」


 わたくしは醜聞を避けるために外国に嫁ぐことになったでしょうか?

 第二王子第三王子とは歳が離れていますしね。


「ララミス嬢は僕達の恩人でもあるんだ?」

「さようですよ。とても賢い方です。王太子妃に、王妃に相応しいです」


 ウィラード様がニッコリします。

 この笑顔はとても心が和みますねえ。


「王妃に相応しい、か。お姉ちゃんが考える王妃の条件って何だろう?」

「良妻であること、賢母であること、そして悪女であることですかね」


 良妻とは狭い意味ではありません。

 衆目に晒される国王の妃として適切であることは簡単ではないのです。

 賢き国母であることもまた同様です。

 

「良妻と賢母はわかるけど、悪女?」

「ええ、悪女です」


 悪女という言葉が悪ければ、強かさと言い換えてもいいです。

 『所詮男と女の関係は、抱きたいか抱かれたいかでしょう?』『幸せは愛とお金の掛け算ですから』というララミス様の言葉。

 全く貴族らしからぬ考え方に絶句しました。

 

 でも一面の真実だとすぐ気付きました。

 アラン殿下の婚約者交代劇だってそうです。

 感情と綺麗事だけで片付く事案じゃありませんでした。

 バランス感覚と強かさに裏打ちされた知恵が必要だったのです。

 わたくしの力の及ぶところではありませんでした。

 わたくしが王太子妃としてララミス様に劣る所以です。


「ララミス様はすごいのです。足りないのは身分だけでしたよ」

「ふうん。お姉ちゃんがそう言うなら」


 『相性見』の加護なんて、普通は恋占い程度にしか役立たないでしょう。

 しかしララミス様はその加護で王国の混乱を未然に防いでみせました。


 さらにララミス様は、万物をも魅了するであろう笑顔という切り札をお持ちです。

 滅多に見せないのでありましょう切り札をわたくし達に見せたのは、あの場でわたくし達を説得するのが最善だと考えたからに違いありません。

 身分差のあるわたくし達を、自分の計画に引き入れるのは非常な困難であったに違いないですから。

 全てが終わった今考えても、ララミス様の決断は正しいと断言できます。


「わたくしはウィラード様の婚約者になれてよかったなあと思います」


 もしララミス様がいなかったら!

 アラン殿下とのギクシャクした関係を続けたまま、わたくしが王妃となる未来もあり得ました。

 国の利にもわたくしの利にもならない、暗い未来です。

 ララミス様がいてくださってよかったです。


「えへへ、そう?」

「はい。心から思います」


 ウィラード様のわたくしを抱く手が強められます。

 優しくて可愛らしくて、わたくしを慕ってくれるウィラード様が好き。

 間違いのない運命に乗ることこそが、幸せのありかを見つけることなのだなあ。

 そう、しみじみ思います。

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