第84話 お買い物

【お知らせ】

いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾


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https://kakuyomu.jp/users/iwasetaku0613/news/16818093080081042920

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 マイセンの街でおいしい昼食を満喫した後は早めに今夜の宿を確保した。


 この街の宿の値段は分かりやすく、湖に近いほど宿の値段が上がっていくようだ。特に湖に夕陽が沈む様子を見ることができる宿なんかは高級な宿になるらしい。


 この宿は少しお高めの宿といったところだろう。もっと安い宿はいくらでもあったし、護衛のジーナと索敵に優れたコレットちゃんがいるのだが、やはりあまりにも安い宿に泊まるのはリスクが高いからな。


「ひとりあたり銀貨7枚かあ。やっぱりフェビリー村での宿泊費はかなり高かったみたいだね」


「そうですね。それにあの村ではおそらくこの部屋ほどの広さはなかったでしょう」


「……やっぱり村の宿は高かったんだね」


「うん、ひとり金貨2枚は観光地価格とはいえ、他の場所よりもやっぱり高いかな。もしかしたらこのマイセンの街が他の街よりも安めな可能性もあるけれどね」


 コレットちゃん的にも少し複雑な気持ちなのだろう。


 フェビリー村の宿は食事付きとは言え、一泊でひとり金貨2枚はやはり高い気がする。この宿はご飯が付いておらず、4人で一部屋とはいえ、フェビリー村の宿はかなり高めだ。


 この街と違って付近に街や村がなく、有名な観光地であるフェビリーの滝があるから、かなり強気な値段設定なのだろう。


「さて、荷物を置いたら、この街を回って買い物をしながら、マイセンの街を回ってみようか」


「はい!」


「うん!」


「ホー!」


 荷物を置いておける拠点も確保できたことだし、まずはコレットちゃんの服なんかを買いつつ、マイセンの街を回りながらメインのマイセン湖を訪れるとしよう。




「よし、とりあえず4着分あればいいかな」


「ええ、よく似合っておりますよ」


「ホー♪」


「えへへ~」


 昼食を食べた屋台とは別の場所にある屋台や露天商が立ち並ぶ場所へとやってきた。そこは服や雑貨や道具なんかを売っている場所だ。


 どうやらこの世界では新品の服は結構なお値段で販売されているらしい。普通の市民は古着や破れた部分を修復した服なんかを購入して着まわすのが普通なようだ。ジーナがいたハーキム村でも使えそうな古着は一か所にまとめてあったもんな。


 コレットちゃんの服は新品で購入しようと思ったけれど、コレットちゃんとジーナの2人に服なんてすぐに汚れるものだし、安い古着のもので良いと止められた。


 ……言われてみると、こっちの世界では実用的な服が基本で、着飾るために服を購入するのはある程度裕福な人たちしかいないのかもしれない。


「シゲトお兄ちゃん、ありがとう!」


「これはコレットちゃんが自分の力で稼いだお金だから、俺に遠慮なんてする必要はないからね」


 コレットちゃんの服はダナマベアとワイルドディアの素材を売って山分けした自分のお金で購入した。服は必要なものだから、こちらで出すと言ったけれど、さっきもらったお金で購入したいということだった。


 確かにそっちの方がコレットちゃんも気を遣わなくてすむだろうし、古着ならひとつで銀貨2~3枚くらいだったから、まだ半分の金貨1枚は自分のお金が残る。


 解体をする時には以前に使っていた服を着てもらえればいいし、服はこれくらいあれば当分は大丈夫だろう。


「あら、よく似合っているじゃないかい」


「いろいろとありがとうございました」


「あ、ありがとうございました!」


 この古着屋の店主である40代くらいの獣人の女性に俺とコレットちゃんでお礼を伝える。


 この店に決める前、いくつかの店に寄ってみたけれど、黒狼族であるコレットちゃんに怪訝な目を向ける人も多くいた。フェビリー村よりもマシとはいえ、この辺りではまだ黒狼族を良く思っていない人も多いみたいだ。


 だけどこのお店の女性はコレットちゃんと同じ獣人ということもあってか、とても優しく対応してくれた。購入したスカートやズボンや下着にコレットちゃんの尻尾が通る穴をわざわざ空けてくれたりもしてくれたのだ。


 さすがにその辺りは俺やジーナには尻尾が分からないからとても助かった。フェビリー村の住人みたいな人もいればこういう優しい人もいるので、多少は救われるな。


「はは、いいってことだよ。それよりも、もっとちゃんとこの子にいろいろと教えてあげなよ、お兄さん」


「……ええ。もちろんです」


 店主さんの言われたことには完全に同意だな。


 購入しようとしていた服の大きさを確かめる時にコレットちゃんは店の前で何の迷いもなく服を脱ごうとしていたからなあ……


 フェビリー村では相手にされていなくて良かったけれど、世の中には危険な男がいっぱいいるのである。ジーナでさえもちゃんと着替える時は俺に見えないようにしているからな。


 うん、さすがに男の俺がその辺りを説明するのは難しいから、ジーナに頑張ってもらうとしよう。とはいえ、ジーナもいろいろな知識が抜けているので、不安と言えば不安だな……

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