H分岐3
誘惑には勝てず、木の柵を乗り越え、池に近づく。
昔はくぐり抜けていたが、今はもうそんなことできない。
池の淵に打ち付けられた木枠の間にザリガニが見える。
「まだいるんだ~」
触りたくはないが、変わらないものを前に今置かれている状況を忘れ見入ってしまった。すると急に背を押されバランスを崩し池に落ちてしまった。
背後からはキャハハと笑う子供の声。
大人の自分なら精々膝下程度の水深、すぐに捕まえて叱ってやる。
そう思っていたが、深い…おかしい、こんなはずはない、足がつかない。
思いもしなかった事態にパニックになり藻掻いていると、手を掴まれた。
どうやら引き上げようとしてくれているようだ。
ただ、その手はどう考えても子供、自分を引き上げることはできないだろうと思っていたがどんどんと体が池から上がっていった、凄い怪力だ。
逆光で顔は見えず、引き上げた後は走り去ってしまったが、
その後ろ姿は妙に見覚えがある、しかしどうしても思い出せない。
「びしょ濡れだけど…学校に行こう…」
【花咲小学校へ】
https://kakuyomu.jp/works/16817330668125555555/episodes/16817330668129837716
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