第135話 『特別な人』
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最初に変にお互い恋愛感情挟まないで仕事に邁進しようなんて
盛り上がった為に、今更付き合ってほしいなんてことは言いにくい。
非常に言いにくい。
つくづく世の中はままならないと身に染みた。
正式に交際しているかどうかは分からないが早く手を打たないと
手遅れになるかもしれない。
今月は後一週間でクリスマスがあるんだよなぁー。
考えろよ、俺の頭。
何の為に付いてんだよ~。
こういう時の為に付いてるんだろ、考えるんだ俺の頭~。
そう言うと相馬は頭を掻きむしった。
◇ ◇ ◇ ◇
クリスマスイブが日曜日でクリスマスが月曜。
週末誘えそうな日は金曜になる。
相原はクリスマス月の週末の金曜は掛居と一緒に食事ができれば、
と考えていた。
凛を夜間保育に預ければ帰りに声を掛けられるが、凛がいては
食事に誘えない。
それで今週の金曜は凛を姉に預けることにしたのだが、今度はそれだと
社内にいる間に直接声を掛けるのが難しいという問題が出てくる。
その為、メールでそれとなく掛居に探りを入れてみることにした。
『明日は残業入りそうですか?』
『確か明日は凛ちゃん夜間保育を利用しないんでしたよね。
芦田さんから他には明日夜間保育の利用者がいないので保育所のほうの
残業はないと聞いてます。
相馬さんのほうの仕事でもたぶん残業はないんじゃないかと思いますが
当日予定が変更になったりっていうのはたまにあるので確実ではないですが……定時で帰るつもりにはしてます。
凛ちゃんはお姉さんに預けるんですか?』
『うん、凛は姉にみてもらうつもりなんだ……』
『じゃあ明日は相原さん、久しぶりに定時上りできそうなんですね』
『俺の方も確実じゃないけどね、じゃあおやすみ』
私の明日の予定を気にしている風なメールを相原さんからもらって、
ちょっと期待しちゃったけど結局残業はお互いになさそうだという話で
終わった。
これってどういう意味のメールだったんだろう。
しばらくメールの内容に頭を悩ましたけれど、お誘いはなかったのだから変な期待をするのは止めようと思うことにした。
今週は会えなくて寂しいけれど、また次の夜間保育のある日に会えるのだし。
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