魔法使いの本探し

チェンカ☆1159

1「遭遇」

 不法侵入者と出くわした時ってどうしたら良いんだろう。まぁ、現在進行形なんだけども。

「えっと……」

 今は亡き大伯母さんの書斎に来たらなんかいた。

「やあ。僕はロトリー。君の名前はなんだい?」

「茉莉、です」

「マリか。良い名前だね」

「あ、ありがとう……」

 なんか褒められたからとりあえずお礼を言う。

 この男の子何者なんだろう。名前が完全に外人でしかも魔法使いのコスプレをしている。普通の人じゃないのは確かだ。

「それで、あなた何者?」

「マリは魔法使いっていると思う?」

 質問を質問で返された。聞いているのはこっちなのに。それでも一応答える。

「本だけの存在で現実にはいないと思ってるけど……」

「何を言うんだい。目の前にいるじゃないか」

 その言葉の真意として考えられることは一つしか無いだろう。

「ロトリーは魔法使いってこと?」

 彼は大きく頷いた。どうやら彼の格好はコスプレではないようだ。

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