世界の中心で哀を叫ぶ鼠

ド根性モンロー 番外編:ド根性ラブラット


「あれ、バンクシーぢゃね? バンクシーのネズミぢゃね?」

GALっぽく発音するマリリンさんを尻目に視線を泳がすと

本当だ! 居た! バンクシーステンシルの傑作より

LOVE RATのプリントTシャツ発見!

「アァン? んだよ、てめえ等!」

喧嘩口調の寄主・宿主さん。てめえ等=僕とマリリンさん。

「人がバンクシー着てるからって、なめてんのか?」

いえいえ、そんなつもりは露ほども……

ああ、そうか、口に出さないと伝わらないや。

「素敵なTシャツだから、思わず魅入ってました。

眼つきが悪かったのなら、深く謝ります」

誠意を込めて謝罪する。マリリンさんは……

「なぁに? このネズミ講が何やら凄いってのお?」

ね、ネズミ講? ちょっと、ややこしくなるからやめてよ!

「おい! セクシー路線! 人様がネズミ風体だからって

ネズミ講は言い過ぎたな! スカートめくるぞ?」

LOVE RATさんの言い分に

「やぁん、お熱いのがお好きぃー!」

全く堪えてない様子のマリリンさん。


RATさん怒り、寄主・宿主さん怒り、

僕は謝罪、マリリンさんおふざけ。現在の感情パワーバランス。

LOVE RATさんも寄主・宿主さんも

注目を浴びることに慣れているのか

徐々にクールダウンのご様子。だったら最初から怒らないで。


余談:ステンシル少女は、俺の妹

「風船と少女の少女は、俺の義理の妹なんだぜ?」

ネズミと人間の血縁関係……って、義理のね。

「摩訶不思議アドベンチャーはどうでもいいのよお。めくるの? めくらないの?」

ああ、未だそんな戯言を?

「なにくそ、スカートなんて、こうしてこうじゃーい!」

「きゃわぁーん! お熱いのが好き好きぃー!」

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