平方根

忍び寄る、プリティー軍団


「……マリリンさん、何か視線を感じません?」

「視線? 坊やとアタシの眼の高さは違くてよ?」

嫌な予感は、的中だった。


「よおよお、兄ちゃん。マブい女、連れてんじゃねぇか!」

「だったらお菓子を食べればいいじゃない!」

腹部のマリリンさんの形相がやや険しい。

「ふうん、アンタ等、プリティー軍団ね?」


「いかにも。ド根性ボナパルト!」

ナポレオン・ボナパルトのプリントTシャツ。

「わらわは、ド根性アントワネットよん!」

マリー・アントワネットはお菓子のくだりで察しはついていた。


「……それで、勝負はどうするの?」

マリリンさんがけしかける。戦うしか無いのか?

「平方根で、負ければ流島合戦だ」

「無糖? わーい、お菓子食べ放題!」

無邪気に喜ぶアントワネット。

「手始めに俺から行くぜ! 144の平方根は?」

引っ掛けに遭わないように……

「±12です」

「……ふん、義務教育くらいは出てるみたいだな」

出端をくじかれたようなボナパルト。

「128√e980を解読してご覧さい!」

突拍子も無い数列を示すマリリンさん。

「……解けねぇよ。答えはあ?」

「流島の土産に教えてあげる。上下でカットして

iloveyou、これが真理よ。セントヘレナに行ってらっしゃい!」

「お菓子よ、お菓子を食べて、耐えしのぎましょ!」

「√」の跳ねを半分カットしたら「love」の「v」に変換されるのか!

ド根性ボナパルト、ド根性アントワネット

ド根性モンローにしてやられる、の巻。

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