Replica Rain
悠帆堂
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きみはモニターを見つめている。
クレーンたちはいま、この荒天に対応するためにかなりのリソースを割いているはずだ。
窓の外の豪雨のように、画面にはコードの文字列が降り注いでいる。
終わらせてしまおう――
きみは息をつめて、しかし、どこか傲慢なまなざしでモニターを見つめる。
でも、終わりなんてこない。
力みかえったところで、若いきみに終わりなんかこない。
区切り、転機、ピリオド。それから、リセット。
そんなもの、みんなただの思い込みだ。
けれど、きみはまだ気づいていない。
画面を流れ落ちるコードから響いてくるように、雨音が激しさを増す。
不愛想なデザインのポップアップがアラートを放つ。
ほらね――
きみはつぶやく。
ポップアップに示された十数行の文字列を握りしめて、きみは逃亡する。
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