練習

装備屋で買い物を終えてダンジョンに向かう


「ダンジョン久しぶりだなぁ、まぁ本当ならもう2週間くらいは戦わないんだけども」


最近は戦い続けているが本当は金稼ぎを少ししたら暫くはダンジョンに潜らずほぼ引きこもり生活をしていた


「それでよく戦えるな」

「まぁ戦い方は身体がしっかり覚えてるから半年とか戦わずに居たら流石に無理だと思うけど長くても1ヶ月程度だったし」


1ヶ月も離れていれば前と同じような動き、思い通りの動きが出来なくなるリスクがある

多少のブランクであれば支障が出ない、これもまた探索者として活躍できる澪の才能の1つと言えるだろう


「戦いに向いた才か」

「かもね。生まれた時代をギリギリ間違えなかったんかなぁ」

「そうだな、今は戦いの世でもある」

「……まぁダンジョンが増えるのは土地関係で厄介ってだけでダンジョンから魔物が溢れるわけでも無いけどね」

「今はな」

「それって」

「いずれそうなってもおかしくは無い、何せわざわざダンジョンという舞台を用意してまで我らをこの世へ送ったのだから」


ダンジョンが生まれた理由は分かっていない

侵略の可能性は捨て難い


「そうなったら人類は負ける……少なくとも現状じゃ対抗出来ない」


人類側には異能者が居る、魔物を倒せる武器もあり魔物に対抗は出来る

しかし魔物側にも同じく異能を持つ存在が居て強い魔物となれば一般人では太刀打ちが出来ず実力者が数人がかりで戦わなければならない

バルフェリアやドラゴンクラスの魔物もまだ何体も居るだろう、正確な強さがどのくらいか分からないアルセスも居る

澪が負けてもバルフェリアが戦うなら一体であれば勝てる可能性はあるが複数体同時やそもそも戦わない可能性がある

その上ダンジョンの主以外の魔物は無限に湧いてくる、そんな魔物の軍勢がもしダンジョンから出て来たら一溜りも無い

まだ人類は2級ダンジョンを攻略出来ていない


「足掻け」

「まぁそのつもりではあるけど」

「覇王に至れば問題ない、並の魔物であれば殲滅出来る」

「無制限の瞬間移動とほぼ防御不可の一撃、確かに至れば勝ち目は有りそうだな。至ればな」

「戦い続ければ何れ至る。今はまだ早いと言うだけでな」

「成程」


ダンジョンに着き中に入る

他の探索者は居ない、元々ここは人が余り来ないダンジョンなので仮面を付けずに戦う

刀を抜いて戦う

オーク、いつも通りの戦い方ではなく真正面から戦う


「攻撃を受けろ」


バルフェリアが行動を指示する

刀で武器による振り下ろしを防ぐ


「凍らせて弾け」


刀の能力を使い武器を凍らせて弾く


「2回切って倒せ」


左から右へ横に胴体を切り手首を返して刀の向きを変えて右下から左上に斜めに切り裂く

本来なら一撃で倒せる相手


「なんで一撃じゃないの?」

「単純に連撃が出来る出来ないは響く、普段から練習しておけ。無駄が多い」


ただ刀を振るうだけでなく一の太刀、二の太刀、三の太刀と流れるように繋げる事で一の太刀を防いだ相手の防御を崩す、回避直後を狙う、無駄なく素早く攻撃を加える

今まではただ連続で切りかかるだけ、剣を習っている訳でも無い澪は剣技なんて物は使えない

そのため攻撃と攻撃の間に隙間が存在する

今までは行けたがもしアルセスのような魔物が相手ならその隙を突かれるだろう


「成程……」

「次は槍だ」


刀をしまって槍を取り出す

伸縮自在の槍、最長は元の長さまでと言う制限があるが瞬時に指定した長さになる強みがある


「長さを変えず槍の間合いで削って倒せ、決して接近はするなよ」


槍を構えて戦う

接近を許さないと言うのは短期決戦が出来ない

澪は槍の扱いに慣れている訳では無い、突きや振り下ろしなどで戦う事もあるが剣の方が慣れている為短くして懐に入って戦う事が多い

武器による攻撃を回避して突きを繰り出す

刺さるが距離を取り過ぎて深くは刺さらない


「距離を把握しろ」

「距離感難しいなぁ」


戦闘中は自分も相手も動き続ける、相手が詰めてくる可能性も離れる可能性もある

上手く一定の距離と言うのは慣れていないと難しい

深く攻撃を当てられない

何度も突きをしていると魔物も学習する

槍の先端を軽く叩かれ突きが大きくズレて攻撃が外れる

勢いよく突きを繰り出したので当たらなかった為体勢が崩れる

体勢が崩れたところに振り下ろしが来る


「異能は使うな!」


体勢を崩しながらも槍を戻して槍で攻撃を受ける

体勢の崩れた状態ではオークの重い一撃は防ぎきれず押されたまま地面に叩きつけられる

二度目の攻撃が来る前に転がりすぐにしゃがみの体勢で地を蹴り前にジャンプして距離を取る

すぐに立ち上がり槍を構えて戦う

武器で弾かれないように素早く突きを出したり振り回して鈍器のように叩きつける

時間をかけて削って倒す


「これはきついな」

「もっと早く倒せるようにならないとな」

「これはなんの練習?」

「接近すると厄介な異能がある、その対策の為だ」

「何それかなり厄介だな。凍らせれるとかない?」

「真髄に触れていれば可能性はあるが今の貴様では不可能、凍らせたところで多少の時間稼ぎしか出来ず接近を防げはせん」

「成程……」

「あと2体このまま戦え」

「了解」


槍で魔物と戦う

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