ゴーレム戦

(初めて見る相手だ、すげぇ硬そうだな。だが動きは遅そうだな)

見るからに硬そうな相手


「ダロィスィ、フスルロウフェカ、ルィナアレォレイ」


シズクが澪に3つのバフをかける

侵入者が2人だと分かったゴーレムはまず戦闘態勢に入っている澪では無くシズクを狙う

それに気付く


「シズク! 盾を使え!」


咄嗟に叫ぶ

シズクは声に反応して盾を張る

高速で接近したゴーレムが盾を殴る


「助かりました!」


一撃でシールドにヒビが入る


「嘘っ……シールドが……」


『早っ!?』

『嘘っ、一撃でシールドにヒビが……』

『シズクちゃん逃げて!』

『攻撃力えぐっ!?』


盾を何個も展開して攻撃を防ぎながら距離を取ろうとするがゴーレムは殴りながらシズクに近づいて行く

シールドは3発で完全に砕かれる

澪はゴーレムに接近して振り下ろしの一撃を無防備な背中に叩きつける


「硬ぇ」


力と速度の上がった全力の一撃で何とか僅かに傷を付ける事が出来る程度

攻防共に優れた魔物、正しく鉄壁の番人


「無視すんな!」


『レイさん頑張ってー』

『全然効いてねぇ硬すぎだろ』

『さすがゴーレム』

『やべぇぞ』

『レイさんの攻撃でビクともしないのかよ』


連続で攻撃を仕掛ける

何度も何度も攻撃をして軽いが確実にダメージを与えていく

だがゴーレムは見向きもしない

今の澪は警戒度が低い

それよりも異能を使っていたシズクの方が討伐優先が高い

シズクは剣を取り出す

炎を纏う剣、剣に一度炎を纏わせてゴーレム目掛けて飛ばす


『おぉ炎纏う剣か』

『いけぇ!』

『頑張ってー』

『行けぇぇぇぇ!』

『やっちゃえ!』


「やぁぁぁ!」


ゴーレムは腕で炎を防ぐ

腕が少し炎で焼けるが構わずに攻撃を仕掛けてくる

シールドを展開しながら剣で攻撃を加える

澪が異能でゴーレムの隣に行き攻撃をしている腕に振り下ろし攻撃を叩き込んだあとすぐに体と槍を回転させて勢いつけて頭と思しき場所に強打を叩き込む

休みなく連続で叩き込む

石突の一撃が良い所に入ったのかゴーレムは体勢を崩す

そこでようやく敵と判断して澪に攻撃をする

寸前で攻撃を躱してカウンターを食らわせる

(ようやく向いたか)

ゴーレムの攻撃を避けるのは澪にとってはそう難しくない

早いが避けられない速度では無い、危なければ異能で避ければいい

問題はダメージがほとんど通らないという所、打撃による攻撃も外傷は殆ど無い

このゴーレムは斬撃、刺突、打撃、澪が使える攻撃手段全てに高い耐性を持っている

澪単体ではまず勝てなかった相手

ギミックが分からず遭遇していなかった事がむしろ運が良かったのだ


「なんとか少しずつ削れてはいるがジリ貧だ。何か策はないか……」


澪の異能は攻撃系ではない、シズクは炎の剣を使えるが異能は攻撃系では無い

今バフはかかっている

遠くからタイミングを合わせて炎を飛ばして攻撃を加える

シズクにゴーレムの意識が向かないように攻撃を加え続ける

ゴーレムの攻撃は腕を振るうだけの単純な物のみ、慣れれば予備動作を見切る事が出来る

時間をかけて少しずつ削っていく

暫くそのまま戦っていると変化が起きる

槍を突き立てた時ゴーレムの身体にヒビが入り体の一部が砕ける


『砕けた!』

『おぉ! 行けるぞ』

『確実にダメージが蓄積してる! 勝てるぞ』

『レイさんシズクちゃん頑張れー』


「ようやくですか。硬すぎでは?」

「終わりが何とか見えてきたな」


砕けた範囲はそこまで大きくは無いがゴーレムにとっては軽くないダメージとなった

ゴーレムの動きが変わる

動きが更に素早くなり蹴りを繰り出してくる

拳を振るった後ノータイムで二度目の拳、その後接近からの蹴り

(ようやく本気って感じか)

一気に異能で距離を取る


『早っ』

『動きが変わった本気モードか?』

『ようやく本気で倒すべき敵として判定されたって感じな気がする』

『それって今まで手加減してたって事!? やば』

『動きが早いし攻撃は重い、そして硬い、単純故の強敵』


突きを繰り出す

ゴーレムが槍を避ける

(なっ!?)

今まで回避なんてしていなかったゴーレムが回避行動を取った


『避けた!?』

『今まで回避なんてしてなかっただろ』

『これからは攻撃当てるのも難しくなるのか……』

『これ前回の配信の中ボスより強くね?』

『な気がするよな』

『シールド砕く程の攻撃力は無かったもんね』


回避行動を取ったゴーレムはカウンターで拳を振るってくる

何とか寸前で異能で回避する

すぐに捕捉して突っ込んでくる

連撃を躱す


「キツっ」


バフと防具があるとはいえシールドにヒビを入れる攻撃、直撃すればタダでは済まないだろう互いに攻撃を回避して攻撃を加えるを繰り返す

澪が距離を取ったタイミングでシズクが炎を飛ばすが余裕で避けられる

攻撃してきたシズクを無視して澪を徹底的に叩きに行く


「今なら……」


ゴーレムが拳を振るうタイミングでシールドを展開する

完全に腕が伸びてない状態で拳を止める

シールドにヒビは入らない

拳を止めたシールドが視界の邪魔になり素早く放たれた槍の攻撃を食らう

シールドを上手く使いゴーレムの動きを妨害する


『おぉシズクちゃんすげぇ』

『シールドを防御じゃなくて妨害に使うか』

『考えたなぁ』

『今がチャンスだやっちゃえレイさん!』


ゴーレムがシズクを追うのを辞めたのでシズクが全面的に支援を出来るようになった

シールドを背後に移動させて回避しようと身体を逸らしたゴーレムにぶつけて動きの邪魔をする

完全に避け切れず槍が掠れる


「このまま押すぞ!」

「はい!」


攻撃に集中する

連続でひたすらゴーレムに攻撃を叩き込む

回避はしない、槍を強く握り構えて何度も何度も突いたり叩いたりと様々な攻撃で削っていく

砕いた所に攻撃を集中させる

どんどん削っていく

時々シズクが炎を飛ばして攻撃をする

どんどんゴーレムの身体が削れていき石突で叩くと大きく砕け何か赤い玉が露出する

槍を突き立てるが玉も中々硬い


「砕けろ!」


思いっ切りぶっ叩くと玉が真っ二つに砕ける

ゴーレムの動きが止まり動かなくなる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る