防具入手
2階の装備屋に着き掘り出し物の防具が並んでいる所を見て探す
様々な防具があり昨日見た時は無かった防具も並んでいるが昨日買おうとした物は無くなっていた
「無いな。売れたか」
「無いですね、あの防具結構性能良さそうですし売れても仕方ないですよ。何か良い防具見つけたら教えてください」
「分かった、軽装備で何か良い防具があればいいが」
並んでいる防具を見て良さそうな物を探す
喰らえば死ぬ、そんな状況では回避しか選択がなかったからヒットアンドアウェイの戦法を取っていた
もしあそこで防御の選択が出来れば戦い方の幅は広がっていただろう
「食らったらほぼ致命傷になる生身よりは何倍も良いですからね」
「今回死んでもおかしくは無かった。あの魔物は強かった」
「中ボスは本来なら支援ありとはいえ一人で戦う物でも初見でクリアする物でも無いのでましてや第二形態のある魔物なんて初めて見ましたよ」
「他の中ボスは違うのか」
「あんな感じに形態変化なんてした魔物は居なかったですね」
戦い方が変わる魔物、正しく初見殺し
ゲームならよくある演出ではあるがゲームと違って敗北は死を意味する
ゲームと違って死んだら生き返れない
基本的に難易度の高いダンジョンの中ボス戦は複数人で何回かに分けて行動パターンを探って少しずつ削って逃げてを繰り返して何日もかけて行動に対する対策を立てて攻略をする
今回のように2人、それも1人は後方支援で戦闘をするのは1人だけ対策も立てず初見でクリアするのは普通におかしい
「これと言って良さそうなのがないな。全て動きづらそうだ。動きが阻害されるのは致命的だ」
「防具はそういうものですよ。軽装備なら動きづらさが少ないってだけです」
「ふむ……」
「あっ、店員さーん」
昨日も居た店員に話しかける
「はい? どうかしましたか?」
「私達が昨日見てた防具って売れましたか?」
「昨日見てた防具ですか」
一度澪を見て店員は昨日の会話を思い出す
「あぁあれでしたら裏にありますよ。結構前からあったのですが売れてなくて値段下げるか悩んでいた所でした。買いますか?」
「今度こそ買います!」
「では持ってきます」
奥の部屋に入っていき少し経ったら昨日見ていた防具を持ってくる
「150万です」
「30万も安くなった」
昨日買おうとした時は180万、今回は150万
30万も安くなっている、それだけ値下げするほど売れそうになかったのだろう
(30万も安くなったなら昨日買わなくてよかった……まぁ私が払う訳では無いんだけど)
払うのはシズク、クレジットカードを取り出して支払いを済ませて澪に防具を渡す
「そちらに試着室ありますよ」
「そうだな折角だし着ていくか」
店員が手を向けた方向に試着室があった
澪は試着室に入って服を脱いで防具に着替える
ダンジョンから発見された防具は身につけた者のサイズに合うように調整される
(凄いなピッタリだ)
体を動かす、身体の動きを服が邪魔をしない
かなり動きやすい
着替え終えて試着室を出る
「おぉ似合ってますよ!」
「そ、そうか?」
「はい! 様になってます」
ここまでどストレートに褒められた事の無い澪は照れて顔を逸らす
「あれ? もしかして照れてます……? ほほう」
「……そろそろ魔石の確認が終わる頃じゃないか?」
無理矢理話を変える
「そうですね、防具も無事買えましたし照れさせれたし行きましょう」
2人は装備屋を出て一階に降りる
「そう言えば魔石のランクってのは等級以外にも判断する物があるのか?」
「はい、魔石の持ち主の強さを測ります。まず大きさで何等級の魔石かを測ります。その後に透明度を測ってランクを付けます」
「等級とランクの二つがあるのか……ランクは何個あるんだ? 6個か?」
「いえ、ランクはCランク、Bランク、Aランクの3つだけです。魔石のランクは3等級のCランクって感じで記されます」
「3段階か。Aランクが強い方か」
「はい、そうです。Cが弱くてAが強いです。あっ、中ボスの場合は3等級のCランクのエリアボスって記されます」
「区別されるのか」
「エリアボスと普通の魔物、ダンジョンの主は異なりますから」
「ダンジョンの主か……ダンジョンの主も初めて倒す場合は素材は確定なのか?」
「はい、というよりダンジョンの主は一度倒すと二度と湧きません」
ダンジョンの主は一度倒れると二度と復活する事は無い
それはどのダンジョンでも基本共通している
「ダンジョンの主の魔石は真っ赤で一目で他の魔石と見分けが付きますから偽る事は出来ません」
「主にもランクはあるのか?」
「ありますよ。これも3段階で分けられてます。そしてそれがダンジョンの強さとして判断されます」
「成程な」
受付の前に行くとシズクの対応をしていた受付の人がこちらに気付き魔石と紙を持ってくる
「終わりました?」
「確認が終わりました。この魔石は3等級のAランクです」
Aランクつまり3級のダンジョンの中ボスの中でも強い部類に入るという証明
(マジか)
「エリアボスは何人で討伐しましたか? 宜しければそのメンバーの探索者ネームを教えて貰いたいのですが」
探索者ネーム、配信者や本名を知られたくない人物が自ら名乗っている名前
「2人です。シズクと零」
配信上で出した零という名前を使う
(探索者ネームなんてあるのか)
他の探索者とろくに関わった事の無い澪はそんな物がある事を知らなかった
「は、はい? 2人ですか?」
「はい」
「え、えぇっと……」
怪しんでいる
3等級のAランクなんて言う単純にめっちゃ強い魔物を2人で討伐したなんて信用出来ないだろう
だが2人で討伐したという証拠の配信がある
シズクは自身のチャンネルの配信を証拠として提出する
受付の人がその戦いの配信を保存したアーカイブを確認をする
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます