ダンジョンの難易度

「260万!? 高っ……幾らと幾らですか?」

「防具の方が180万で槍の方が80万となってます。掘り出し物ですし性能も考えると」


掘り出し物は人の手で作られる武器より性能が高い事が多い

そしてそれが殆ど唯一無二である為一つ一つが高い

そんな金額は持っていない、昨日の報酬は魔石と素材合わせても50万

今日の分は魔石だけなので20万にも届かない

(今全財産で80万くらいか槍はなんとか買えはするけど……どうしよう)

高額とは聞いていたがここまで高いとは思っていなかった


「もしかしてお金足りないですか?」

「槍だけならなんとか買える」

「肩代わりしましょうか?」

「槍だけあれば大丈夫だから問題ない」

「その槍代も配信手伝って貰えれば……」

「すみません防具は諦めます」


少女の勧誘は意図的にスルーする

防具はある方がいいが今まで無しで戦ってきた

それなら今更買わなくても支障は出ない


「分かりました」

「いやぁでも買うって宣言してましたよねぇ、キャンセルするのはどうですかねぇ」

「奥に別の魔物居るしあの魔物の方が素材高いかも……数日狩り続ければ貯めれる額ではあるし……」

「スルー……そこまでスルーします?」


戦い続けて素材を何個も手に入れれば買えない額では無い

問題点は素材が余り落ちないというところ、昨日今日は運がいい部類


「数日狩り続ける!? あそこで!? 正気ですか!」

「正気だけど? 他に良い狩場知らないし」

「確かにここら辺だとあのダンジョンが一番稼げますけど……危険ですよ!」

「そう?」

「そう言えば確か最近新しいダンジョンがこの付近で見つかったらしいですよ」

「新しいダンジョン」


ダンジョンは増え続けている

ダンジョンの数は国で管理されていて増えたら減らすなどをしている

ダンジョンコアと呼ばれるダンジョンを司る道具の破壊を行うとダンジョンが消滅する

そうやって数を管理しているが高難易度のダンジョンはダンジョンコアの破壊が難しく残り続ける


「まだ正確な事はわからないですが新種の魔物が出てくるらしくて」

「新種……それは素材高く売れそう」

「おぉ、新種……配信しがいがありそうな」

「配信者ってそういうの詳しくないの?」

「確かに再生数上げるためにも今話題のホットな情報を探しますが聞き覚えがありませんね」

「ダンジョンの場所がそこに行くのも一苦労な場所でして高難易度というのも相まって人気はないですね。難易度は3級とされてます」


ダンジョンの難易度は6級〜1級、澪が普段行っているダンジョンの難易度は3級

上から3番目の難易度だがかなり強い

1級のダンジョンは現在は存在していない

2級以上の難易度のダンジョンが出たら登録される

その2級も登録済みなのは世界で数個、日本に1つだけ

2級ダンジョンは1つとして攻略された場所は無い

3級が人間の限界と言われている


「3級……」

「流石に難易度は知ってますよね?」

「知らない」

「なんなんですかこの探索者……ダンジョンには等級が6級〜1級まであります」

「3級は程々?」

「いえ、まず6級、これが初心者がよく行くダンジョンです。比較的弱く相当運動音痴でもなければ倒せます。次の5級は6級を楽に倒せる程度の力が必要、基本5級止まりです。4級ともなれば本当に一握り、有名で人気な配信者も大体この辺です」

「4級が」

「はい、そして3級は人間の限界とまで言われています。強い探索者が複数人でパーティを組んでダンジョン攻略出来るかどうかレベルです」

「ほへぇ」

「そしてその3級は貴方が戦っているダンジョンの難易度です! わかりました?」

「成程……つまり同じくらいの難易度……そのダンジョンは何処にあるんですか?」

「聞くだけ聞いてスルーですか……」


店員は地図を持ってくる

そしてこの辺りと指を差す


「森の中?」

「はい、それも殆ど人の手が入ってない所でして」

「場所自体は近いですね。この森ならここから徒歩で30分くらいです。ただ結構奥深く……迷わず行って合計で1時間?」

「そうですね、そのくらいかかります」

「なるほど、明日向かうかな。あっ、槍買います」

「80万になります。ダンジョンの情報は言いましたが高難易度のダンジョン故無理はならさず」

「大丈夫ですよ、この人1人で3級ダンジョン潜る人なので」

「ひ、1人でですか。となると貴方が噂の……」


レジに行きクレジットカードで支払いを行う

(噂ってなんだろ?)


「80万丁度ですね、お買い上げありがとうございます」

「それじゃ私この防具買います」


悩んだ末に選んだ防具を選んでいた、値段は150万、先程澪の選んだ防具よりは安いがそれでも高い


「武器は買わないのか?」

「買いますよ。私はこれを」


少女はいつの間にか持っていた剣を見せる

大きさは通常の物と同じくらいで見た目はなんか炎を出しそうな見た目をしている

値段は220万、槍の3倍近い値段

高いと言うことはそれだけの性能があるのだろう


「高っ、どんな能力が?」


ダンジョンで手に入る武器は1つの特殊能力を持つ

澪の選んだ槍は短く出来る事が能力、便利ではあるが能力の中だと外れの部類の為比較的に安い


「それは炎を纏わせたり炎を飛ばせます」


掘り出し物の武器の能力には炎や水、風などを纏うタイプの数が多い

そう言った武器は大抵最初は扱うのに苦戦する

但し出力が物によって違いそれによって値段が大きく変化する

220万ともなれば出力は高い部類だろう


「見た目通りの能力」

「それは便利ですね」


クレジットカードで少女は支払いを済ませる

2人は店を出る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る