第6話「練り歩け」

謎多き功労者

その堅牢ぶりに

やがては必衰の鈍を諭すだろう

この一部の望みが

ただの快楽を得るように

出来ているなら

それこそ自分本位な躍動であろう


生きて死す

その間にある

数々の出会いを別れを

ただ、受け流しては

いけず

尊ぶように愛を愛以上で返さねば

ならぬは世の渡り方


この零度に満ちた

部屋でさえ

心根を欠いては

ただの死者と変わらぬ

さぞ与は、懸命に生きゆけ


どうせは死して終わる

この世界なのだ

限界など死を思えば

容易く超えれるであろう

さぁ行くがいい


この礼節に

この世界に

一度の世渡りに

ただの涙で臆してはならぬ


与を体現し

その翼で世界を駆けよ

もうすでに

生きた時間は

どうあれ戻らず

どうあれ先は知れない

ならばその心、体現して


世界を練り歩け。

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