連続転生記録保持者ゆかり君! ~異世界転生者1000回記念に与えられた驚愕システムとは!?~

ハルパ

プロローグ~異世界転生逝ってきます!

 僕の名前は志岐谷紫しきたにゆかり。年は数えで29歳。あともう少しで30歳。魔法使いまであともう少し!

 僕のここまでの人生をみなさんにかる~くご紹介!


 0歳 体重3333グラム 元気な男の子爆誕!!


 0歳2日目 命名! 紫(ゆかり)くん いい名前だ~! かっこよくない?


 1歳3か月 両親が共働きの為保育園にドーーーーン!!


 2歳3か月 先生のおぱーいを合法的に触ったりして多分人生で一番幸せ!


 4歳3か月 同級生女子のぱんつを盗んで先生たちに怒られる、反省してます


 5歳3か月 同級生女子のぱんつを盗んで先生たちに怒られる、もうしません


 6歳3か月 近所の小学校に入学! 荒んだ地区の荒んだ学校だぜ!


 7歳3か月 転機が訪れる! 名前が女みたいってことで同級生にからかわれる。



    ◇



 からかわれた日、僕は家に帰って両親に聞いた。

「なんで僕の名前ゆかりなんて女みたいな名前にしたんだよー!!」


 母「え~、恥ずかしい(照)お父さん教えてあげて(はーと)」


 父「紫も大きくなったなぁ。それじゃ教えてやろう。あの日お父さんとお母さんはな、朝ごはんのときに、ふりかけのゆ〇りの取り合いでケンカしたんだ。ゆ〇りをかけるかけないで大ゲンカだ。それで埒が明かないからお父さんは怒って外に飛び出したんだ。」


 母「そうね~。懐かしいわ~(遠い目)」


 父「それでな、飛び出して冷静になったお父さんはな、お詫びに箱いっぱいのゆ〇りを買ってお母さんにプレゼントしたんだよ。そしてその日にできた子が……」


 父・母「紫なんだ・紫なのよ!!」


 は?


 ふざけんな! なんじゃそりゃ! そんな理由かよ! なんだよゆ〇りって。

 あの紫のふりかけのやつかよ! 僕も大好きだよ! よく食うよ!


 そんなかんじで僕は荒んだ。こんないい加減な親に育てられた僕だ。オカマ野郎とみんなに罵られても仕様がない。それからというもの、小・中・高とほぼエスカレーターで進学し、同じやつに同じように苛められる日々。

 金を持ってる成金の同級生がわざわざ買ってきた女装用のカツラを被らされ、女子用の制服を強要され中学から高校2年まで頑張りました!

 高2の冬に学校を中退してからは自宅を守るため日夜トレーニング(主に右手の)に明け暮れる毎日


 そしてそうこうしている間に時は過ぎ――――


 29歳11か月 このままではいけない! 僕は変わる!

 働きたくないけど両親も歳食ってきたし、結婚して出てった姉は、実家に帰るたびに「死ね」って言うし、一緒に住んでる妹は、顔を合わせるたびに「死ね」って言うし。


 あれ? ふたりとも酷くない?


 ちくしょう! こうなったらバイトしてやるっ!! どうだ、すごいだろ! やればできる子なんだよ、僕は。探すぜ! 僕に合った素晴らしいバイトを探すぜ! 河原で石を積むバイトとか。どんぐりをたくさん拾ってくるバイトとか。

 そんなのはなかった。僕は絶望した。だが僕は挫けない。なんとか人に会わなくてもできる「新聞配達」という素晴らしいバイトに無事就けることになったのだ!


 ――だが


「よしっ! 今日は初日じゃ! いっちょやったるぞ!」


 ――ブーッ! ブーッ! ブブーッ!!! キィィィィィ!!!!! ドン!


 はっ?


 僕は轢かれた。完全に僕が悪かった。車の信号が青。僕は赤。

 僕の体も真っ赤っ赤。うまい! いやうまくねーよ!!

 やばい、空から天使が下りてくるのが見える。パ〇ラッシュ、疲れたろう、僕も疲れたんだ。っていやいや! まだだ! まだ終わらんよ、ってせっかくバイトも始めてこれから頑張ろうってしてたのにぃ!! 神様なんていやしねぇ!!


 おもいっきり唾をまき散らして叫んだその時だった……


 ――異世界転生者様一名ご案内で~す!


 よっしゃ! きたーー!!!

 これが噂に聞いた異世界転生! 僕の逆転人生がっ! 今! 始まる!






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