~第七話~「登った太陽は無限」
天井が壊れ、綺麗な夜空を指さす女。
「見える?あれ、なんだと思う?」
「あ?何もねぇ真っ暗な夜空だが。」
女は夜空を指していた手を頭に付け、
「あ~そうだったそうだった。見えないんだったね。今の君には。」
「世界の理不尽の影響みたいだな。」
「正解、私はこの夜空にある月で強さが変わる。今は満月、身体能力が100倍になる。」
「先生が殺し切れなかったわけだ。」
女は手を戻し、
「私は、
「人狼……、だから獣臭かったのか。」
「うるせぇ!」
戌音が攻撃する。
「うおっ!」
湊人はギリギリ回避す。
「いきなり戦闘開始かよ。」
「ぶっ殺してあげるよ。」
「こっちのセリフだ、くそ女。」
湊人は刀を構え、戌音は腕を後ろに構える。
「蓄積、この一撃で、奴の腕を粉砕する。」
「ぶつぶつ何言ってんだか知らないけど、殺されたいのね、わかったわよ!」
戌音が湊人の方へ走り出し、
「
湊人に攻撃する。
「これくらいで、
斬撃の力がたまった刀で、自身に向かってくる戌音に攻撃する。
戌音はそのまま受け止めようとしたが、本能が危険を感じたのか、体が右に動き、攻撃を避けていた。
「……、避けた、私が?でも、今のは流石に、避けなかったら死ぬ。」
「どうした?なんで避けた?」
「死を感知して避けただけだ。」
「左腕がねぇのも感じねぇのに?」
戌音は驚き、左腕を見る。
湊人の言う通り、そこにあるはずの左腕が切り落とされていた。
「っ゙!あ゙あ゙っ!」
戌音に痛みが走る。
しかし、腕はゆっくりと再生する。
「身体能力が100倍、細胞の再生力まで100倍かよ……。」
「ふぅ、そうだよ。勝てるかな、君に。」
「勝つさ、約束だかんな。」
湊人は刀を背中にしまう。
「やっぱり、刀じゃ隙ができそうだ。こういうタイプの奴にはこっちがいいか。」
湊人は右腕に力を入れ、物語の英雄を使った。
右腕は巨大なゾンビの様な腕になり、
身体能力が極限まで上がる。
そして、ゾンビの様な再生力も備わった。
「先生に、見せたかったな。ある英雄からもらった、この力を……。」
「たかが巨大な腕にしたぐらいで、結果は変わらないよ。」
「やってみねぇとわかんねぇだろ?」
「あっそ、来いよ。殺してやるから。」
「お望み通り。」
湊人は戌音に向かって走り出す。
「同じことだ!爪で裂き殺してやる!」
戌音ら湊人に腕を振るったが、湊人の姿がない。
「どこにいっ………。」
「ここだ。」
湊人は真上にいた。
戌音は防御に遅れた。
「
湊人は巨大やゾンビの腕に爪を生やし、戌音を切り飛ばす。
「だぁっ!」
壁を破壊しながら突っ込む。
「なんで、さっきまでその腕に爪なんて生えてなかったのに。」
「だよな、力って、想像力で変わっちまうんだよ。」
湊人は右腕を顔の高さまで上げ、爪を見せびらかす。
「舐めやがって!」
戌音が飛んで湊人に向かって行き、
「
「っ!」
戌音は大きな牙で、湊人の右腕を噛み砕いて来た。
バキッ
「っ!腕が……。」
湊人の巨大なゾンビの右腕はバキバキに折れてしまった。
「ふふっ、これであんたは戦えないね。」
「まだだ、再生して、もっかいだ。」
しかし、再生待ちしている間に、
「おっそい再生ね。」
戌音に後ろを取られ、
「
「ガハッ!」
湊人は蹴り飛ばされ、戌音が突っ込んだ反対方向の壁に突っ込む。
「ハハハッ!同じことされてるじゃない。何が約束だよ、何が仇だよ。馬鹿にしてんじゃないわよ。こんなんじゃ、私からエンブレムを取るなんて無理な話ね。」
立ち上がる湊人。
「いいや、まだ終わってねぇ。」
「終いよ。あんたは私に殺される。」
戌音は湊人に近づき、
「
ザシュッ
湊人は戌音の攻撃を受け、
「がはっ……。」
傷ついた体を見ながら、前に倒れる。
「殺し合いは、私の勝ちね。」
湊人の意識が消える。
湊人は死んだ………………
「お・・・・・」
「おぃ・・・・。」
「おい・・・・。」
「おいっ!」
バッ
何者かに呼ばれ、目を覚ます湊人。
しかし、湊人のいるこの場所は、先ほどの場所とは全く異なる。
「ここは、どこだ?」
「ここはあなたの中よ。」
湊人の後ろにある女が現れた。
「その声、俺を呼んだ……。」
「うん、死ぬ寸前に、意識が無くなる前に、あなたをここへ呼んだ。」
「なんのために?」
「あなたの持つ、物語の英雄について、話すために。」
女は湊人を指さし、
「ついてきて。」
後ろを向き、歩き出した。
湊人は従い、ついていく。
この何もない真っ白な空間の中。
「なあ、あんたは一体誰なんだ?」
「それも後で話す。」
それ以降、湊人は何の質問もせずに、女に付いて行く。
「なんだこれ……。」
ついた場所には大きな扉があった。
「入って。」
勝手に扉が開き、その中に入ると……。
「これは?」
そこには、10個の牢屋があった。
「これは歴代継承者の魂が入った牢屋、今あなたの中で解放を待っている。」
「解放?てか、あんたは一体誰なんだ?」
「私は、
「物語の英雄、初代?」
湊人は混乱する。
「裕さんの前の継承者?」
「いいえ、私はもっと昔の継承者、てか初代ね。」
「裕さんの前にも、もっと継承者がいるんですか?」
「うん。私と裕を含めて10人だね。だから、君は11代目の継承者だ。」
湊人はあることに気づき、辺りを見回す。
「もしかして、この10個の牢屋って……。」
「ここに来た時にいったでしょ、歴代継承者の魂が入った牢屋よ。」
「俺は、この魂を解放しねぇといけないのか……。」
「そう、簡単な例だと、私ね。」
「あんたが?」
「私の個人的力、浮遊の力とためる力、あなたはためる力を解放したでしょ?」
「ああ、突然使えるようになった。」
「それは私の力を解放したからよ。」
「でも、浮遊はまだなのに、どうして?」
「わからない、でもこうなっている現状、君に話しておく。」
逢明は湊人に近づき、
「歴代の継承者達のことを……。」
数年前
世界の理不尽が起こる前の世界
初代物語の英雄の神岡逢明
力を授かる前は、家族の子供として、普通の生活をしていた。
父は研究者であり、母は教師をやっている。
母の勤務先が遠いため、逢明は父と暮らしていた。
しかしある時、研究していた父が突然動き出した。
夕方、逢明が家に帰ってくると、注射器を持った父がリビングにいた。
逢明が不思議そうに近づくと、
「逢明、すまない。」
そういい、持っていた注射器を逢明に使った。
「痛っ。」
逢明は刺されたところを抑えながら、
「なに、したの?」
すると父はとんでもないことを言い出した。
「お前に研究した力を打った、ゾンビだ、ゾンビの力だ。これさえ手に入れば、私たちは無敵だ。」
「うっ、苦しい、苦しいよ、お父さん……。」
「嘘だろ、逢明、ダメなのか?」
「違う、何かが、体に馴染んでくる。」
その瞬間、逢明の右腕が変形し、巨大なゾンビの腕と爪ができる。
「成功だ、お前は最新兵器だ!」
だが、このゾンビの力は各国に悪用され、今の様な事が起こっており、何者かによって、世界の理不尽は始まる。
ただ、世界の理不尽が始まったのは、湊人が学生の頃であるため、今までの継承者たちはその影響を受けておらず、理不尽前の記憶が存在している。
「私はお父さんにゾンビの力を強制的に植え付けられたけど、その力を最大限に強化して、今の様な力に育てた。全てはこの世からゾンビを消滅させるため。」
「けど、ゾンビ以外のも、各国との争いもあった、そういうことですね?」
「そうね、君が生まれる前から世界は争いの世界だから。」
逢明は一つの牢屋に近づく。
「とりあえず、一人ずつ紹介するわね。」
物語の英雄 2代目継承者
神岡
力:
3代目継承者
神岡
力:鬼の力
4代目継承者
神岡
力:引く力
5代目継承者
神岡
力:空気の力
6代目継承者
神岡
力:魂の力
7代目継承者
神岡
力:落とし穴の力
8代目継承者
神岡
力:風の力
9代目継承者
神岡
力:反射の力
10代目継承者
神岡
力:なし
「こんな感じかな。」
「あの……。」
「ん?」
牢屋から離れようとした逢明は足を止める。
「神岡って、みんな家族、血が繋がっているのか?」
「ああ、先に言っておくべきだったわね。」
「裕さんは、俺の父親とかなのか?」
「そうよ、この力、物語の英雄は神岡家が受け継いできている。」
「あの時に、ずっと会えなかった父さんに会っていたのか。」
「そうね、あなたが生まれて1年後ぐらいにはもうあなたの元には帰れなくなっていたからね。」
「じゃあ、ここにいるってことは、死んじゃったのか?」
「いいえ、まだ生きてるよ。」
湊人は牢屋をよく見ると、魂が入っていないものを見つける。
「それがあなたのお父さんの牢屋よ。」
「まだ、どこかにいるってことか。」
「うん。この戦いを終わらせて、会いに行きなさい。」
「そうします。」
「あの……。」
湊人が逢明に話しかけようとした瞬間、
「逢明さん、まだですか?」
6つ目の牢屋の後ろから白く丸い塊が出てくる。
「もういいわよ、話は済んだわ。」
「じゃあ、俺の力、教えるか。」
その塊は逢明と話しを終え、湊人に近づいて来た。
「やあ、君が湊人か?」
「は、はい。ええと、なんですか、これ。」
「なにって、魂だよ。俺は魂の力を持ってるから、いつでもここを出れる。」
「それで今目の前に?」
「ああ、お前がこの力を使えるようにしてやる。」
「できるんですか?」
「簡単な話だ、俺がお前の魂、いわゆるお前の一部になる。そうすれば、お前は俺の力が使えるようになる。」
「その力は、何ができるんですか?」
「今、ここに眠ってる魂を自由に操れる。解放することができるんだ。」
「あなた自身でできないのですか?」
「無理だった、魂だけの存在になった俺は、他に力を使えない。」
「だから、俺に力を……。」
「話が早いな、そういうことだ。頼むぞ。今死なれても困るんだ。」
「わかりました、絶対こいつとの戦いに勝ちます。」
「そうだ、この力で歴代の魂を操れ、この世界はお前に掛かってる。」
うつ伏せの状態の湊人。
目を覚まし、立ち上がると同時に傷口を治す。
「まさかね、死んでなかったの?」
目の前には戌音がいる。
「そうだ、お前に勝つために、俺は戻ってきた。」
「懲りないねぇ、あんたは一度負けてるんだよ?」
「今の俺なら負けねぇ。」
湊人は目を閉じ、
「歴代解放 No.3 鬼の力」
湊人の背負う刀が金棒に変わり、額の右側辺りに角が生える。
目を開き、
「再戦だ。」
「いいね、さっきよりの強さを図る覇気が大きくなってる。」
湊人は金棒を構え、
「
戌音に近づき、金棒を振るう。
「そんな普通の攻撃に意味があるわけ……!」
戌音はわざと受けようとしたが、その攻撃が普通ではないことを感じる。
「くそっ!」
戌音は回避した。
しかし、左腕をかすり、肘辺りまでなくなる。
「やっぱり、今の受けてたらひとたまりもなかったね。」
「当たってくれれば終わったのに。」
「私が終わらせてあげるよ!」
戌音は湊人に向かって走り出し、
「
爪で両方から斬撃で攻撃する。
「歴代解放 No.2
ザシュッ
湊人はそのまま受ける。
体に爪で与えた切り傷が付く。
その傷は深く、心臓や肺にも傷がついている。
普通なら死んでも間違いない。
しかし、湊人はある力を解放した。
再生の力よりも遥かに能力値が高い。
どのような傷も治す、再生系世界一の力。
「今の俺は、不死身だ。」
「やっかいね、なら、切り刻むだけ!」
戌音は無数の斬撃を繰り出し、湊人に攻撃するが、どんな状態になろうと、湊人の体は再生する。
「くそっ、強すぎる、この再生力……。」
「遅すぎた、さっさと解放しておけば、こんな雑魚に梃子摺らなかった。先生も死ななかった。」
「今更あの雑魚先のこと考えてねぇで、戦いに集中しなよ。」
「そうか、先生を雑魚呼ばわりか。」
湊人は巨大なゾンビの腕と爪に右腕を変え、
「もう、死んでくれ、お前のその力も、これで終了だ。」
真っ暗な夜空は、いつの間にか、晴れ渡る青空へと変わっていた。
「気づかなかった、もう朝、私の身体能力が、100倍から通常に戻る……!」
「じゃあな、雑魚。」
湊人は戌音に近づき、
「
戌音は、鬼の力で攻撃力の上がった爪の斬撃で、体を裂かれる。
戌音は死んだ。
「これが奴のエンブレム、『家計のエンブレム』か。」
【失礼、あなたの魂から脳に直接語り掛けるわね。】
「逢明さん、それができるなら最初っからやってくださいよ。」
【戦闘中にやってもいいの?集中できないでしょ。】
「どれもどうですね。で、なんのようです?」
【その家計のエンブレムを解放すれば、私たち歴代の詳細が分かるようになるわよ。】
「神岡家の家計情報がわかるのか。」
【そう、さあ、解放よ。】
「わかりました、エンブレム解放。」
湊人の持っていたエンブレムが光りだす。
湊人の意識がエンブレムと共鳴する。
〈2個目のエンブレム解放おめでとう。〉
「どうも、家計ってことは、教えてくれるんだろ?」
〈当然、神岡家について、その全てを君に話そう。〉
「頼むよ。」
その後、湊人は神岡家に起こった悲劇と歴史を全て聞いた。
〈わかったか?〉
「はい。」
〈じゃあ、残りのエンブレム解放、頑張ってくれ。〉
エンブレムとの共鳴が終わる。
「全てわかった。俺たち神岡家に起こった出来事。」
湊人は歩き出し、海岸へ向かった。
「湊人、勝ったのね。あれ、先生は?」
海岸の入り口で待っていた未月。
「先生は、十二支隊の戌音に殺された。」
「うそでしょ、あんな強かった先生が……。」
「とりあえず帰ろう、この国の征服は後回しだ。結果報告しに帰ろう。」
湊人達は水上機に乗り、自分たちの国に帰っていった。
「おや、帰ってきたね。」
船着き場で学場長が待っていた。
「帰還いたしました。」
「よく助け出した。詳しい結果は学場長室で話そう。」
「はい。」
湊人達は教室に戻り、それぞれ生徒たちは服を着替え、家へ帰っていった。
湊人と未月、そして炎花は学場長室に向かった。
ふわふわとした椅子に座り、学場長と対面する。
「まず、結果的には救出に成功、しかしカルアス国を制圧のみ失敗。ですが、そこのボスであろう人間、十二支隊の一人、戌音は殺しました。」
「そうか、制圧はボスがいないのであればいくらでも制圧しに行ける。」
「そして次に、死亡者と行方不明者について、死亡者は調査隊9名と石崎颯樺のみです。」
「まさか、奴がこんなことで死んでしまうとは、十二支隊とやらは、そこまで強力な集団なのか?」
「はい、俺も本気を超え、限界を突破しなければ勝てる相手ではありませんでしたし、先生が奴を少しでも削っていなければ全滅でした。」
「君は大変だね、学生で命を狙われるなんてね。」
「ほんとですよ、記憶が無いせいでなぜ狙われているかもわからないってのに。」
「まあ、気をつけて家に帰りなさいよ。
「はい、ではまた。」
湊人は学場長室を出る。
炎花と未月も湊人の後ろについて出る。
3人は荷物を持ち、家への道を歩き始めた。
「先生のことは残念だね。」
「ありがとね、湊人、私なんかのために。」
「別にどうってことないよ、そもそも奴は後々俺を殺しにやってきたと思う。
十二支隊だしな、早めに倒せてよかった。おかげで、神岡家の過去が分かった。」
「記憶が戻るのも時間の問題ね。」
「だけど、奴を倒してもなおわかったのは、やはり十二支隊は只者じゃねぇ。」
「そうだね、気を付けないと。」
3人はそれぞれの道に分かれ、家に帰った。
【十二支隊を二人も倒すなんて、やるね湊人。】
機械音声でしゃべりだす謎の人物。
あの時学場の屋上にいた人物と同じだ。
今は高建築物の屋上で温飲料を飲んでいる。
「主創さん、湊人について新たな情報ですよ。」
【おいおい、あまりその名で呼ぶなよ。】
「すんません。」
黒い翼を生やし、学場の制服を着ており、帽子で顔が見えないが紫色のポニーテールの女が屋上へやってきた。
【湊人の新たな情報って?】
「ええとですね。」
メモ用紙を取り出す女。
「彼は物語の英雄に備わっていた魂の力を使って、歴代の継承者の元の力を自分の物のように使っていました。このまま十二支隊を倒せば記憶が戻り、彼の元の力に気づくのも時間の問題です。」
【なるほど、でも別に記憶と湊人の力が戻ったところで、彼が目にするものは変わらないよ。】
「それあなたが言います?」
【確かにね。まあでも、我々には勝てないよ。】
「そうですね。」
場所は変わり、ある施設。
円形のテーブルに並ぶ12個の席。
10席は埋まっているが、2席は空いている。
「ついに戌音までもが殺されたか。」
2席の男がしゃべりだす。
「弱いやつは死ぬ、この世界の法則だろう。」
1席に座る女が男の話に乗る。
十二支隊が緊急収集されていた。
[残念です、最善のメンバーで行かせたつもりだったのですが、メンバーを減らすようなことをしてしまいました。申し訳ありません。]
「まあいいさ、次も同じだ。下の奴らから湊人に向かわせろ。」
[了解いたしました。それでは次の出撃者を発表します。]
該当される者の席が光る。
[10席、
「俺か、じゃあさっさと殺しに行きますか。」
「貴様はあの雑魚どもと同じようになるなよ。」
1席の女が火酉に威圧を掛ける。
「はいはい、わかってますよ。俺はあんな奴らみたいにはならないっすよ。」
「まあ行けるだろ。」
2席の男が肩に手を当てる。
「こいつの可能性は無限だろ?」
「そうかもしれないが、油断するな。」
「かしこまりっ。」
火酉は自動扉から出て行く。
「まずは湊人探しからだな。」
火酉は燃料のない自動キックスケーターのタイヤに触れ、一回転させる。
すると、その回転は無限に回り始め、そのまま乗って進み始めた。
「最高だ、この力は。」
一方その頃、湊人は……
「これが、英語で、こっちがロシア語…。難しいな。」
自分の部屋で言語BOOKを読んでいた。
「そもそもロシアとか、韓国とか、何なんだ。」
「最初はそんなもんだよ。私も覚えるの大変だったよ。」
しれっと湊人の後ろに現れる卯。
「そうなのか…………じゃなくて、当然の用に不法侵入するなよ。」
「入られる君が悪い。」
「でもいいのか?こうやって仲良くしてる所見られたら、疑われるぞ?」
「私の力があればバレないよ。」
ニコッと笑いながらピースをする卯。
「そういえば、次は順番通り10席目の奴がくるよ。」
「そうか、ありがとな。」
湊人は立ち上がり、窓を開け、飛び降りる。
卯は窓から顔を出し、
「何処行くの?」
「迎え撃つ、力だけでも教えて貰えるか?」
「え〜と、彼は………。」
「なるほどな。じゃあ、俺は行く。」
湊人は力を使う。
「歴代解放 初代 浮遊」
湊人は宙に浮き、飛んでいく。
「あ、私の力で自動翻訳できるの忘れてた…。」
湊人は卯に教えてもらった場所へ向かう。
「ここらへんか?」
しかし、10席目の奴はいない。
「いねぇじゃねぇか。」
と、その時…
「Oh? It seemed like the thing I was looking for came to me on its own.」
(おや?探し物が勝手に飛んできてくれたみたいだ。)
湊人の後ろからゆっくりと近づく男。
「まじか、奇襲失敗か…。」
「Nice to meet you under these circumstances.」
(初めましてかな、この状況で会うのは。)
「英語…初めましてってことはわかるが、まだわからねぇことが多いな。」
英語が理解できず、焦る湊人。
すると、耳につけていた無線通信機から声が聞こえる。
「ごめん湊人くん!通信機に翻訳機能インストールするの忘れてた!」
「なるほど、ありがてぇ機能があったのか。」
「インストール完了だよ、相手には通信機見えないし、壊されないから存分に戦ってね!」
「OK!」
通信が切れる。
「じゃあ、命令通り殺すか捕らえる。どっちがいい?」
「そんなの、どちらも選ばねぇよ。むしろお前に選ばせてやるよ。」
「ほぉ、出来る物ならやってみろクソガキ!」
「いいぜ、やってやるよ。」
2人は互いに戦闘体制になる。
湊人は刀を引き抜き、男は片手に銃を持った。
〜第七話〜「登った太陽は無限」終
後書き
英語はGoogle翻訳をお借りしております。
自分が英語苦手なもので……。
それでは。
物語の英雄 カイン @KIN0002
★で称える
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