第3章
第26話 掲示板 Side?
実はアカネ達が情報屋から話を聞いた時、とある匿名スレでこんな事が起こっていたのだった。
【地球8個分】フルダイブ型VRMMO《クリーチャーズ・オブ・ワイルド》攻略スレ PART134【もはや異世界】
112:名無しは見た
クソォ……どこを探してもダンジョンが見つからないし、レアクリーチャーも見つからない……。
せっかく未開の地に行ったのに……。
113:名無しは見た
それはアンタが行った場所に問題があるんじゃねぇか?
こういうのは拠点の情報屋に聞けばいいだろ。
114:名無しは見た
そうなんだけど、アイツら情報料としてレア素材をふっかけてきてさぁ。それ以来聞かない事にしてるんだ。
文字通り《クリワイ》は未知の世界だから、ネット攻略情報もほとんどアテにならないし……。
115:名無しは見た
俺もそんな感じ……。もう疲れちゃって全然動けなくてェ……。
116:名無しは見た
虐待されたいのか、あん?
117:名無しは見た
待った、速報速報。
あの《紅蓮の狂拳》とコユミちゃんに関してなんだけど、どうも情報屋と接触したらしい。
118:名無しは見た
あー、あの笑顔で敵を血祭りにする時代を間違えたモンスターか。
この間コユミちゃんの動画見たんだけど、めっちゃ怖かったなぁ。
119:名無しは見た
そうそう。で、その情報屋から新種ドラゴンの情報を聞いたらしくてさ。
拠点から北西にある渓谷に、ソイツが生息しているんだとよ。
120:名無しは見た
それマ?
121:名無しは見た
マ。
122:名無しは見た
マジ!? ドラゴン!? だったら高性能な素材とか魔石とか落とす確率高いやん!!
123:名無しは見た
そんなら早めに行った方がいいぞ。リスナーがその情報を聞いて渓谷に向かっているらしいし。
124:名無しは見た
うわっ、リスナーの奴ら汚ねぇ!! だったらソイツらよりも先に行かなきゃ!!
125:名無しは見た
俺も俺も!! 先を越される前にドラゴンを倒しておこっと!!
アカネ達が聞いた情報が筒抜けになった事で、その渓谷に大勢のハンターが集っていくようになった。
それはさながら、獲物を求めて集まる飢えた獣のようである。
やがて彼らが渓谷へと到着するのだが、
「な、何だコイツ!! グアアアアアアアアアアアア!!!」
「ヒイイイイイイイイイ!! こんなんだったら来るんじゃなかったぁ!! ウワアアアアア!!」
「ギャアアアアアアアア!!!」
その瞬間に湧き上がるのは、陰惨な悲鳴。
ある者は身体を切り裂かれ、ある者は嚙み砕かれ、そしてある者は握り潰される。
そんな目をそむけたくなるような光景が繰り広げる中、生き残りの1人が息絶え絶えになりながら逃げようとしていた。
「ハァ……! ハァ……! こんなの聞いてない……聞いていないぞ……!! とにかくこの場から離れないと……!!」
今しがたハンター達が殺されていく様を見た彼に、もはや戦意など残っていない。
一刻も早くにと渓谷を離れようとするが、突如としてその足が止まってしまう。
ズウン……!!
「ヒッ!! ああ……」
いや、正確には止められたのだ。
ハンターの目の前へと飛び込んできた、巨大な影によって。
影はゆっくりとハンターに近付きながら、獣のような唸り声を上げる。
もはや逃げ場などないと悟ったのか、ハンターが大剣を構えながら突撃した。
「ウ、ウワアアアア!!!」
影へと振り下ろされる大剣。
しかしそれはむなしくも弾かれ、ハンターの手元からすり抜けてしまう。
「アガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
そして……ハンターの断末魔の叫びが、渓谷に響き渡るのだった。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます! 第3章開始です。
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