寝腐
陰鬱とした気持ちが心の奥底に、ヘドロのように積み重なり、ドロドロと溜まっていく。
やるべきことも、やりたかったことも全部投げ捨て、ベットの上でただただ腐っている自分を眺めることしかできなかった。
部屋の外から聞こえる笑い声も、なんだか鬱陶しく。自分の周りと自分との温度差に、より一層嫌気が差す。
人は、大きくなると周りの目を気にして気持ちを奥底に隠し込む。上手く吐き出せなかった心は、徐々に腐り始める。心が腐り始めると人は生きる気力をも失い、堕落するような人生を歩んでいく。もがきもせず、ゆっくりと沈んでゆく。
「お前には“覚悟”が足りん!」
その一言が、僕を答えのない廻廊へと誘った。
そんなことはわかっていた。けど、いざ他人に言われると言葉が脳内を駆け巡り、自身の不要性を叩きつけられるようだった。
「あーあ。もう、疲れちゃったなぁ。」
生きていく希望も、生きていく気力も、自信も目標も……何もかも消え去ってしまった。
僕はあの日から勉強は余計できなくなり、ゲームがしたいと言う気持ちがありながらすることを躊躇するようになり、社会からハブれていた現実を受け入れられずにいた。
学校では就職先や進学先で一喜一憂する彼らに憎しみに近いような感情を抱き、そんな感情を少しでも抱いてしまった自分が情けなく、どうしようもなく嫌いになった。
イジめられている訳ではなく、あくまで悪いのは自分だと言うのに、迷惑なことに絶望の彼方へと私は旅立つのだ。
嗚呼、親が可哀想。嗚呼、先生が可哀想。僕の血肉となった生物が可哀想。
こんな僕は死ぬまでに、一体何を為せるのだろう。一体何を残せるのだろう。それは自分である必要性があるのだろうか。
何もないなら、何故僕は生きているんだろう。
沢山の命を犠牲にし、沢山の時間を使い、この僕が生きながらえる必要性ってなんだろう。
明日死ぬかもしれない。今死ぬかもしれない。そんな中僕は未だ何も残せていない。これ以上の命を犠牲にし、数十年生きたって、この僕に何か残せる力が備わるようには思えない。自堕落に生き、死んでいく。メリハリなんてない消極的な人生を歩んでいくんだろう。自死する覚悟すら、僕にはできないんだから。悲しいことにね。
ゴロンと仰向けになると、全てを投げ捨て僕は眠りにつく。目覚めても何も変わらないのに。何かできることを願って。
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