いけいけ勇者様54

最上司叉

第1話

古びた建物の中には白衣を着た男が立っていた。


「ここまで来てしまいましたか」


「お前が暗黒の勇者たちを操っていたのか?」


「やれやれ実験は失敗ですね」


「答えろ!」


「もっと強い個体ならどうなんでしょう」


「きさま!!」


【パン】


白衣を着た男がいきなり手を叩いた。


「!!」


暗黒の勇者がぞろぞろ出てきた。


「かかれ」


白衣を着た男がそう命令した次の瞬間一斉に暗黒の勇者が勇者たちに襲いかかってきた。


【キィン】


【ズダダダ】


【ゴォー】


「効かない…」


暗黒の勇者たちに勇者たちの攻撃は全く効いていなかった。


「新しく開発した武具は多少効果はありましたか」


白衣を着た男が呟いている。


勇者たちは防戦一方になった。


どうすれば?勇者は必死に考える。


勇者はふと最初に戦った暗黒の勇者を思い出した。


そういえば陽の光が弱点だったのを思い出したのだ。


勇者は古びた建物を破壊することにした。


勇者は立ち止まり深呼吸して構えた。


渾身の一撃を建物目掛けて叩き込む。


「どこを狙って…!」


【ドゴォ】


「皆建物から出ろ!」


勇者たちは急いで建物からでる。


【ズドーン】


砂埃をあげ建物が崩れた。


「終わったか?」


【ガラガラ】


瓦礫の中から白衣を着た男と暗黒の勇者たちが姿を現した。


「まだ終わらないのか」


「かかれ!!」


白衣を着た男は怒っている。


【キィン】


【ズダダダ】


【ゴォー】


勇者は戦いの最中に叫んだ。


「倒さなくて良いから暗黒の勇者の鎧を壊せ!」


「しまった!」


【バキィ】


【ガァン】


【ドーン】


勇者たちの攻撃があたり暗黒の勇者の動きが止まった。


「…」


【ピシピシ】


【カラン】


暗黒の勇者の鎧が壊れた。


暗黒の勇者が陽の光に晒される。


「ぎゃぁぁぁぁああああ」


「…!!」


白衣を着た男がブルブルと怒りに震えている。


「あと一人だ!皆行くぞ!」


勇者たちは一斉に白衣を着た男に攻撃する。


「この私を怒らせましたね」


【ザシュッ】


「!!」


勇者の剣が白衣を着た男を貫いた。


「く…く…く…」


勇者は白衣を着た男がなぜ笑っているのかその時は分からなかった。


「終わった…な…あ…れ…?」


白衣を着た男を倒しあとは帰るだけというその時勇者は突然倒れた。


「どうした!!」


3人が慌てて勇者に駆け寄ってきた。


よく見ると勇者の首に注射器が刺さっている。


ドラゴンの女が慌てて注射器を抜き投げ捨てる。


なにを打たれたのか分からない。


「何の薬か分からんからのう!!」


「あぁ急いで戻ろう!」


そして勇者たちは街に帰ってきて仲間の魔法使いに勇者を診てもらう。


「分からない」


「ダメかのう」


「打たれた薬が分からなければ」


「そうか」


「…」


八方塞がりだと思ったその時ふと思い出した。


「それならドラゴンの女が投げ捨てた注射器がまだ残ってる!」


「それなら!」


「よし急いで取りに戻ろう」


そして2人組とドラゴンの女が注射器を持って戻ってきた。

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