第6話 魔術
盗賊として宝箱の解錠をするならやり方は様々。開けると紐が切れて爆発する仕掛けなら紐を新たな紐で繋いで固定する。
爆発機構自体を破壊する。
紐を切るための刃自体を取り除く。
それらの技術を駆使して宝箱の罠を破壊することに盗賊は誇りを持っているのだ。
もちろん俺も。
それを魔術師が教えて欲しいと言ってきた。
なんでも二人で罠の識別をすれば正確性が上がるからだとか。
黒魔法使いとしては侍に劣り司祭には白魔法の有無と鑑定能力で劣る以上もう一つ特殊技能を身に着けておきたいとのこと。
下民よりも使えない今の立場を辞めたいとのこと。
俺としても解錠の確実性は上げておきたいのでただで使える奴隷が増えるのは大歓迎だ。
魔術師は地頭が良いのか飲み込みが異様に早い。
利用する駒が増えたら良いかなくらいの気持ちで始めたがつい教えるのに熱中してしまった。
代わりに色々と魔術師に魔術の事について教えてもらった。
魔術は回復系の白魔術と攻撃系の黒魔術の二系統、各系統ごとに7位階に分かれている。のが基本だがこれはあくまでも戦闘に特化した魔術に限った話であり魔術士がいつも探索で使っているような清潔な水を出したり長い間残る焚き火を出したりするのは含まれていない。
個人武力ならこの大陸最悪最強と言われている【賢者】ワルドナもこの戦闘外の魔法に長け、性転換やら麻薬精製やら洗脳やらの変な戦闘外魔術を大量に作りエグい人体実験をやっていたらしい。
また一部の魔術士は戦闘魔法7位階すら超えた魔術やら黒白の基本系統に含まれない魔術も使えるらしい。
口から火を吹いたり水流の刃を呼び出すのが通常の系統外魔術だが八位階以上の系統外魔術は超位魔術と呼ばれる。
過去の魔術が遥かに進歩してた世界においては星すら一撃のもとに貫き破壊する15位階魔術すら存在していたらしい。
系統外魔法はとにかくカッコイイ上に力ある魔術師の特権であるため真似してオリジナル系統外魔術(笑)を作るアホが定期的に湧く。
それらは系統内魔術に勝てるところがほぼ無いゴミであり、系統内魔術は強いからこそ系統化されているということを理解してない超級のアホが使い手のため湧いたところですぐ死んで消えるそうだが。
そもそも戦闘系魔法は系統内だけしか使えなくても強くなれる事はワルドナが証明している。
なかなか有用な情報が聞けた上系統内魔術も全て知れたのも良かった。
非常に有益な時間だった。
しっかしこいつ魔術の話になるといつも早口になるよな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます