第11話 人事異動して

2月になりありさの人事異動日。1月最後のシフトは夜勤だった。


1カ月は患者さんを把握する為夜勤は一回のみ勤務となった。


夜勤が減ると手当が減るから給料減るんだよなー。と新車購入費用を夜勤手当で貯めていたので痛手だった。


全く知らないスタッフもいれば、委員会が一緒だったスタッフや社員旅行が一緒だったスタッフもいる。初日は挨拶をしてオリエンテーション、病棟を師長とまわった。


特殊疾患病棟は医療が必要な患者さんばかりだ。

定期的に吸引しないといけない患者さん、経管栄養の患者さん、ほぼ寝たきりの患者さんばかり。点滴も内出血だらけで難しい患者さんもいる。体力勝負の部署だった。リハビリもほとんどなし。オムツ交換ばかりでトイレ誘導の患者さんがいない。長期入院患者さんばかりで在宅復帰する人はほとんどいない。急変して亡くなる患者さんも多い。


スタッフも50、60代の人ばかりだ。介護スタッフさんは若手ばかり。夜勤は看護師一名に介護スタッフ2名の組み合わせだった。


夜勤専門の看護師もいて時間帯で手伝いに来てくれていた。

歳が近い人は介護スタッフさん。看護師は言い方がきつい人や、介護スタッフさんに厳しいスタッフさんもいて人間関係が微妙だった。


5月。4月から新卒で入ったスタッフの1カ月研修が終わり、ありさは指導係になっていた。ありさは30になった。どうやったらわかりやすいかな?と考えながら新人スタッフの指導を頑張った。


仕事と自宅の往復のみの生活に疲れてきたありさ。するとあきから久しぶりに連絡が来て会おうと電話があり、ランチにいく事になった。


あきとは年に1.2回会っていた。子供も2人いてデイサービスのパート勤務をしていた。

異動になった話や今の仕事にやりがいがない話をすると、訪問看護やデイサービスのスタッフはどう?とあきから誘いがあった。正直年々生理痛がひどくなっていたありさは夜勤の仕事が負担になってきていた。

ありさの母も看護師でありさが小学校の頃から夜勤をしており、夜は姉みどりと2人さみしかった事を思い出した。

そして患者さんとゆっくり接したい。あきと話しているとデイサービスの魅力を知った。

しかし新人の指導係をしていたありさ。まだ夜勤も出来ない新人スタッフをおいては辞めれないかな…

将来的な仕事を考えながら勤務を続けた。

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