第6話 けんじ1

いつもシフトが出来るのがギリギリ。希望休は3日までだった。


けんじは介護系の専門学校にいって介護福祉士を取得し老人ホームに就職したが、激務と肉体労働が負担で就職して半年で退職、今の工場に勤めているとの事だった。


平日休みが多い私。一方で工場勤務でカレンダー通りの日勤勤務のみの土日祝日休みのけんじ。もっぱら平日に食事にいったり映画をみにいったりだった。


付き合おうと話になり、次月から希望休みをとる事にした。


あきも四つ上の建築士と付き合いはじめたとの事。

夜勤があきとかぶったらお互いの彼氏の話ばかりするようになった。


あきは休みが合わない事がストレスで転職しようか悩んでいた。外来は主に小さい子持ちさんや既婚者ばかりで希望出しても通らないよという話に。

そしてあきは採血が苦手だった。

先輩に怒られてばかりだった。結局あきは2カ月後デイサービスの看護師に転職してしまった。


共通話題がなくなり、彼氏の話題はメールでやりとりしていた。恋愛が大事なあき。友人と会うより彼氏に会いたい派だった。


ありさは回復リハビリ病棟が楽しく人間関係も良好で転職は考えていなかった。

休憩時間に彼氏の話題になり、先輩に

「ありさちゃんの彼氏工場で日勤のみなら私らの方が給料いいいんじゃないの?」


薄々わかっていた事だった。

けんじと私は実家暮らし。ある日けんじの部屋に入ると給料明細がみえた。

すると自分より8万近く給料が低いのがわかった。


けんじ→「個人会社だからボーナスも冬にあればいい方。夏冬とない年もあったよ」


(それでも辞めないのか〕


ありさが旅行に行きたいと話すもけんじはお金がないとぼやいて結局ありさが旅費を出した。


その頃から少しずつけんじがかわってきた。

今からそっちの自宅にいくねと連絡すると

タバコを買ってきて、漫画を買ってきて、飲み物、食べ物などありさが出すのが多くなった。


買ってきてといって払ってくれた事はない。


その後薄給でやっていられない。


けんじは工場を退職してしまうのだ。

まだ23。のんびりしたいとニートになり、その後夜勤のコンビニバイトをするように。フリーターだ。

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