第4話 就職と婚活1

出会いもなく実習、テストと平凡に過ぎ去った。

就職か進学かの時期になった。看護科なので5年通って正看護師を目指す。

中には編入して保健師を目指す人、全く違う分野にいく人と様々だった。


ありさの姉みどりは公立の商業科を卒業し、専門学校へ通っていた。

正直その頃姉のみどりが羨ましかった。お下がりばかりだったありさ。

通学も姉はバス、ありさは自転車だったのだ。自宅からの距離はほぼ同じなのに、なんでお姉ちゃんばかり…

雨の日はバスで行ってよかったので雨が嬉しかった。


就職の求人が貼り出されている。

私は何科にいきたいとかなく早く稼いで好きな物を自分で買いたい。そう思い総合病院に就職した。

その後卒業すると高校時代の友人とは連絡が途絶えた。1人は嫌、ただ輪にいただけなんだな。そう思った。名前も思い出せない。


高校を卒業し番号が変わってなかったので一度電話がかかってきた事があった。

内容は誰か紹介して、とか保険の勧誘だった。利用目的だったので削除した。


あきとは仲がよく今も連絡をとりあっている。

友人は数じゃない。そう感じた。

私とあきは同じ就職場所となった。配属先も偶然か考慮してくれたのか同じだった。


回復リハビリ病棟。大半は自宅や外出先で転倒して骨折した高齢者か、バイクや車の接触事故でリハビリ目的で入院している患者さんだ。患者さんと結婚する同僚も多かった。


ありさも患者さんから連絡先を書いた紙を渡された事があった。

40代や離婚歴があったりで様々。患者さんと連絡とるとか考えられなかったので1人も連絡しなかった。


出会いもないまま自宅と職場の往復のみの生活。

違う部署の男性看護師、リハビリスタッフに声をかれられた事もあったが職場は考えられなかった。

ありさは21歳になり婚活パーティーが流行りだした。

身分証を提出しないと参加出来なかったので信頼があり、あきと婚活パーティーに参加しようと意気込んだ。

しかし婚活パーティーは大体金土日にある事が多い。

早出、日勤、遅出、夜勤とシフトがバラバラなので2人勤務を合わせるのは希望休を出すしか方法はなかった。

パートさんは土日休み、お子さんがいる人も土日は希望休をとる人が多いのだ。


独身の若手は夜勤や遅番が多かった。

婚活パーティーは女性は20代は無料、男性は会費が発生するパーティーが主流だった。


20代限定、20-30まで、20-40まで、バツイチ、離婚歴に理解あり、40からのパーティーと様々だった。

あきととりあえず何歳まで可能か確認した。

すると40前まではギリギリかな。付き合ってと考えるなら30半ばまでかなーと話して20-30代のパーティーに参加する事にした。


当日まで美容室にいったり、服を購入したりドキドキして待ち遠しかった事を覚えている。

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