それぞれの 中学時代の お話です⑧
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パート8です。おわり。ようやく5人が揃います。
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[八葵]「やっ」
[小霧]「……ねー」
[八葵]「なんだい?」
[小霧]「……たくさん連れてなんの用ー?」
[絃葉]「小霧、久しぶり!」
[悠心]「久しぶり」
[命]「ひ、久しぶり!」
[小霧]「……懐かしい顔ぶれだなー」
[絃葉]「ねえ、小霧。今日は学校行かない?」
[小霧]「……まあ、いいけどー」
[絃葉]「やった!」
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[八葵]「いやあ、この季節に夏服も良いもんだねぇ!」
[悠心]「小霧のだろソレ。身長近くてよかったな」
[小霧]「先生に他校の生徒だとバレた瞬間に終了だねー」
[絃葉]「面白そう! 隠密行動第n弾だ!」
[悠心]「さてはおまえ何回かここに来てるな?」
[命]「素直に言えばちょっとくらいは入らせてくれると思うんだけど……」
[八葵]「知らない、校門──」
[悠心]「そりゃ他所の中学だからな」
[小霧]「うげ、ちょっと気分悪くなってきたー……」
[絃葉]「大丈夫! 何かあってもわたしがいるよ!」
[小霧]「デカイだけで絃葉は頼りないからなー」
[絃葉]「ひどい!」
[女子1]「……ほら、あの子だよ。雨田さんと一緒にいる……」
[女子2]「ていうか聞いた? 雨田さんの噂。カガワさんたちが言ってたけど……」
[小霧]「…………」
[絃葉]「ね、悠心。今日の帰りミソド寄らない?」
[悠心]「おー、おまえ絶対赤味噌ラテだろ。私白味噌ラテ頼むからシェアしような」
[絃葉]「うん!」
[小霧]「……ねぇやっちー」
[八葵]「なんぞ?」
[小霧]「なんかこう……絃葉、明るくないー? 陰口っぽいの叩かれてるのに見向きもしないし。ちょっと前に見た時はもっとトゲトゲしかったんだけどー」
[命]「……ふふ」
[八葵]「喉の
[小霧]「わたしあんな感じなのー?」
[命]「やっちゃんからお話は聞いてるよ。ずいぶん小霧が明るくなったって」
[小霧]「……まあ、多少なんだけどねー」
[八葵]「それは人類にとって小さな1歩だが、小霧にとっては大きな1歩だった──」
[小霧]「わたしが人類じゃないって言いたいのかこのー!」
[八葵]「おひゃひゃひゃ! 擽らないでよう!」
[命]「(みんな、明るくなってる。嬉しいな)」
[八葵]「あっ、そうだ。みんな受験ってどこ考えてる?」
[悠心]「受験かあ。そういやもう逃げられない季節に差し掛かったな」
[絃葉]「わたしは
[命]「あ、絃葉ちゃんもなの? 私もそこだよ」
[八葵]「私もそこだぜ」
[絃葉]「ほんと!? やった、命ちゃんとやっちゃんと一緒だ!」
[悠心]「偏差値は……62か。割と高いな」
[小霧]「わたしはどこでもいいかなー。トリマーなら専門学校だし」
[八葵]「おっ、さぎトリマーになりたいんだ」
[小霧]「
[悠心]「まあ、そうだな。絃葉がそこ目指すなら、私もそこにしようかな」
[絃葉]「ほんと!? 嬉しい! 悠心も一緒だ!」
[悠心]「気が早い気が早い。受かったらなー」
[八葵]「あのさ、提案があるんだけど」
[4人]「?」
[八葵]「来年の4月。英出和泉高校の校門前で落ち合わない? もちろん、そこの生徒としてさ」
[小霧]「え、わたしは別にそこに拘ってないんだがー」
[八葵]「私と一緒のとこ行きたいって言ってたじゃん」
[小霧]「秘密ー!」
[悠心]「はは。それもいいかもな。5人で一緒に学生生活が送れるのは嬉しい」
[絃葉]「よーし言ったよやっちゃん! 二言はナシだからね!」
[命]「5人ぶんの願掛けをしに行かないと!」
[小霧]「えー……勉強やだなー」
[八葵]「よぅし! じゃあ決まり! また来年の4月に落ち合おう!」
[先生]「おい、お前ここの生徒じゃないよな? 最近朧谷の制服を着て何回か入り込んだっていう……って遠!」
[悠心]「じゃあな八葵。おまえのことは忘れないよ」
[小霧]「忘れないよー」
[絃葉]「いやまだ生きてるから! あそこで全力疾走してるから!」
[命]「あはは……」
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【ひとこと】
中学生編はこれでおしまいです。
たまに時が遡ることもあるかもしれませんが、凡そは高校生の5人を描くと思います。
治安悪めの中学出身の悠心、絃葉、命、小霧。
4人と一緒の中学に通えなかった八葵。
しばらくはそんな5人が仲良く談話する、
ちなみに絃葉の“メイちゃん”呼び、命と小霧の“雨ちー”呼びは、もう少し後で生まれるのです──。
それと、応援コメントください!(しつこいよきみ)
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