中学生編
それぞれの 中学時代の お話です①
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中学校。それは愛憎渦巻く毒の壺。
【
【なずみ】悠心のクラスメイト・友達。
[※本エピソードから続く中学生編には、“ガールズラブ”、“同性愛”の要素があります。ご注意ください]
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[クラスメイト1]「はい、じゃあ集合〜。今日の定例始めまーす。時計回りでいいかな? じゃあまずケイ」
[クラスメイト2]「はーい。3組のヤマウチかな。あいつハルナの彼氏狙ってるよ。潰せるうちに潰さないとダメっしょ」
[クラスメイト3]「じゃあ今日の放課後とかいっとく? リョウ先輩にボコってもらお〜」
[クラスメイト4]「あ、はいはい。ササモトは? この前ユキのこと無視したっしょ。天誅2週間くらい?」
[クラスメイト5]「でもあの子もう3回目だよ? 4週は堅くない?」
[クラスメイト3]「あいつ反応うるさいから、4週続けたら飽きちゃいそうだな〜」
[クラスメイト4]「えー? じゃあたまにボコろ。静かになるまで殴るのも、それはそれで楽しそうだし」
[クラスメイト2]「ねー、いい感じにボコって、適当に金巻き上げて〜……」
[クラスメイト5]「先生が見てないところでやってよね、私評価落としたくないし」
[クラスメイト3]「んじゃ〜レイナは天誅不参加?」
[クラスメイト5]「いや? 私ササモト嫌いだし、2、3回くらいは蹴り入れたいな」
[クラスメイト2]「わー、嫌な奴〜」
[クラスメイト5]「どの口が」
[クラスメイト1]「よ〜し、じゃあ決定! 今週の制裁はヤマウチ、天誅はササモト。忘れないでね〜、忘れたら繰り上げて天誅対象にするから。はい解
[クラスメイト6]「ねぇ秋月〜。その本、何割真剣に読んでる〜?」
[悠心]「……10割」
[クラスメイト6]「嘘だ〜。読んでるなら説明できるよね、その本の内容〜」
[悠心]「……富に恵まれた少年が入水自殺する話」
[クラスメイト6]「ダウト〜。本の表もっかい紙見てみなよ、それ銀河鉄道の夜じゃん」
[悠心]「……なずみ、気が散るから話しかけないでくれ。私は今本を読んでいるんだ」
[なずみ]「よく言うよね〜、純文なんて読まないタチのくせに。本はブラフで、本当はアイツらの話に聞き耳立ててるんでしょ」
[悠心]「立ててねーよ。仲良いわけでもないんだから、聞く意味もなにもないだろうが」
[なずみ]「じゃあなんで読んでる本の中身分かんないの? 秋月の目って本当に眉毛の下に付いてる?」
[悠心]「……どういう意味だよ」
[なずみ]「秋月には関係ないんだから、埋火みたいな正義感なんて捨てちゃいなよって話〜。関係ない子が関係ない子に嫌がらせしたりされたりしてるとしても、それってどの道秋月には関係ない話じゃん。勝手に聞き耳立てて勝手に興奮して、行き場のない身勝手な正義感振り翳す妄想して楽しんでるの? 秋月ってそこまで馬鹿だっけ〜?」
[悠心]「……うるせーな。見て見ぬふりもできないだろ」
[なずみ]「じゃあ秋月は、1回でも手を差し伸べてあげた? 殴られたり蹴られたりしてる子の代わりに、頬っぺたとかお腹を差し出した?」
[悠心]「……それは」
[なずみ]「秋月は馬鹿じゃないんだから、いい加減生き方上手にしな〜。……余計なエネルギーなんて、使うだけ無駄なんだから」
[悠心]「……なずみ」
[なずみ]「トイレ行ってくんね。あたしまだ銀河鉄道の夜読んだことないから、帰ってきてもネタバレしないでよ〜」
[悠心]「…………」
[悠心]「おまえだって、そういうのを無視できない性格だろうが……」
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【ひとこと】
少し暗い中学生編、始まります。
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