穂乃果 2
家に帰った私は、嫌な予感がしたので台所の戸棚を確かめてみました。
予感は的中しました。
そこにあるべきものがありませんでした。
紗季が持っていったのでしょう。
となると……
私は紗季を追いかけて、彼女がやろうとしていることをやめさせないといけません。
私と紗季がここに一緒に住むようになってから、ちょうど一年になります。
一年間も地元から離れて住めば、紗季も過去のことは忘れるはず。
そう思っていたのですが、どうやらその考えは間違っていたようでした。
紗季は通帳から勝手にお金を引き出し、そのお金で新幹線のチケットを買って、故郷へと向かったのでしょう。
私は紗季を追いかけることにしました。
大きなスーツケースを引きながら、私は北九州へと向かいました。
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