第57話異常事態

国民への演説終了 (堀田5日目の休み)


「ふぅ〜少し疲れましたね

早く部屋に戻って オヤツでも食べますか荒井さん ハハハ」


荒井「そうですね~総理〜フフフフフフ」


番場「総理 待ちなさい…いつまで この重たい荷物この部屋に置いているんですか?

いい加減自室に持って行きなさい!」


「え〜 分かりましたよ…明日ちゃんと持って行きますよ~ねぇ~荒井さん」


荒井「はい…明日にしましょうよ番場さん…総理疲れてるし〜フフフ」


番場(くっ…こいつら どれだけ仲良くなってんだ…ウザい)

「明日持って行かない場合 他に頼んで処分しますので…後 明日から堀田が復帰すると先ほど連絡がありました」


「えっ………………駄目です…1週間休ませなさい。 荒井さんがいるから 急ぐ事はないと お伝え下さい…」


番場「はいはい了解しました…」


3人でプライベートルームに戻る


「あっ 今日は どちらでしたっけ? 泊まり…」


荒井「私ですよ」


「了解しました」


緊急時に備え常に1人は公邸の別室で待機

寝泊まりしている…とは言え堀田は車で10分圏内 番場は車で3分圏内に住んでいる。

堀田は免許を持っていないのでタクシー通勤 番場はマイカー通勤している

佐藤副総理は元官房長官公邸に住み総理公邸との間に官邸を挟んで同じ敷地内に住んでいる。

そして本日の夜 国民の対話も終了


「さあさあ番場さんも最近仕事しすぎですので早く帰って休んでくださいね…お疲れ様でした…荒井さんも もう今日は大丈夫ですから休んでくださいね~」


番場「了解しました…ではまた明日」


荒井「はい…ありがとうございます。何かあれば お申し付けください…すぐに駆けつけますので」


「何もないですよ~ハハハ

お疲れ様でした」


…………………………………………………


深夜0時

自宅にいる番場と 休み中の堀田のスマホが鳴る…通知音で番場は目覚める…堀田は起きていた…

番場は眠い目を擦りながらスマホを確認する…その後すぐに荒井秘書に電話をかけるが出ない…慌てて着替え始めた…

その頃 荒井秘書は総理公邸控室のベッドで

爆睡中…堀田は連休中の為 状況が理解出来ずパソコンの電源を入れモニターを映す準備を始める…

堀田「えっ…ん?」

…………………………………………………


約20分前 総理公邸警備室


「あの~すいません」


椅子に座る警備員二人が驚く

うわ〜びっくりした~そ…総理ですか?


「いや〜深夜に申し訳ないです…ハハハ

ちょっとですね~プライベートルームで夜風にあたってたんですが窓から手に持っていた私の大切なカプセルトイのフィギュアを落としてしまって…小さいから すぐに見つかるか分かりませんが探してもらう事 出来ますかね~ハハハ

いや…無理ならいいんですが もう2度と手に入らない品でして…お二人で探してもらえると助かります…はぁ〜」


警備員「あ〜小さいんですか…わ 分かりました…ただ2人共ここを離れるのは少しマズいんですよね…」


「あ〜大丈夫ですよ 荒井さんもいますし

こんな夜中に誰も来ないですから…ハハハ

どうか見つけて下さい」

土下座をする


警備員「あ〜止めてください総理…分かりました…すぐに見つけて来ます…窓の下付近ですね?」


「はい…ありがとうございます」



静かな総理公邸廊下から 機械的な音が聞こえる

ドリュリュリュリュ ドリュリュリュリュ

ドリュリュリュリュ ドリュリュリュリュ

ギシギシ…ドン…ドン…ドン


番場は着替えインカムをつけ荒井秘書に再び電話をするが出ない…マイカーに向かいながら警備室に電話する…警備室も出ない…再び電話する


副総理公邸

ベッドでイビキをしながら豪快に眠る佐藤副総理…

しつこく鳴り続ける着信音で起こされ不機嫌そうに電話を取る

番場からの電話…


佐藤「う〜 なんだ こんな時間に明日早いんだよ」


番場「すぐに公邸に向かってくれ」


佐藤「あ〜ん 公邸だよ ここは」


番場「違う…お前の公邸じゃない…総理公邸だ…急いで向かってくれ…私もすぐに向かう…」


佐藤「こんな深夜に かけてきて相変わらず偉そうなヤツだ…俺が年上で副総理だ…敬語使えやバカが」


番場「た…たのむ…異常事態だ…荒井秘書とも連絡がつかない…副総理が1番近い…」


佐藤「チッ なんだよ~だりぃ〜なぁ~

何があった?」


番場「わからん…演説が…演説のカメラに総理が 映ってる…手こずってるみたいだが 1人で勝手に何か話すつもりか…こんな事

予定にない…」


佐藤「はぁ〜? こんな深夜に?

分かった…すぐに向かう…」


シャツとスウェット姿のまま佐藤副総理が

小走りで総理公邸へ向かう…


堀田は自宅のパソコン画面で 演説の準備をしている総理の姿を観ている…スーツ姿ではなく 国民との対話中に よく着ている上下

紺色のスウェット姿だ…音声で総理の声が聞こえている…(あれ? これで大丈夫か?

ちゃんと映ってるよね~)


番場は車で3分の距離…すでに半分ほど公邸まで近づく…インカムで演説会場の音声を聞いている…


佐藤副総理 総理公邸入口に後少しの所で

しゃがみ込む警備員2人と出会う


佐藤「何してるんだ お前ら?」


警備員「あ…副総理…いや 総理が大事なフィギュア落としたと言われまして探してます…」


佐藤「はぁ〜? それは もういい…マスターカードキーどっちが持ってる?

演説会場にすぐに向かうぞ…ついて来い

異常事態だと番場から連絡があった」


警備員「えっ…マズいぞ…我々クビになるぞ…」


佐藤「知らんがな

早くマスターカードキーだ」


警備員「今 上司がいないので警備室の金庫に入ってます。 すぐに出してきます。」


番場は公邸入口の守衛が立つ外門まで到着


番場「早く入れろ!総理の様子がおかしい!」

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